副業ブログの確定申告と経費|申告が必要な条件をわかりやすく解説

ブログの収益明細と領収書をパソコンで確認しながら確定申告を準備する会社員 確定申告

1社勤務・年末調整済みの会社員は、副業ブログの年間所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。

この記事はプロモーションを含みます。

20万円は広告収入などの売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得で判定します。所得が20万円以下でも、住民税の申告や、医療費控除などで確定申告をする場合は別の確認が必要です。

この記事は、2025年1月1日から12月31日までの所得を申告する「令和7年分」を中心に、国税庁と自治体の公表資料を2026年7月25日に確認して整理しています。

筆者は税理士ではなく、本記事は税理士監修を受けていません。所得区分、家事按分、過年度の申告漏れなど、個別事情で結論が変わる場合は、所轄税務署や税理士へ確認してください。

  1. 会社員の副業ブログは確定申告が必要?結論3点
    1. 20万円基準の対象になる会社員
    2. ブログ以外の副業所得も合算する
    3. 20万円以下は「非課税」ではない
    4. 医療費控除などで申告するなら副業所得も記載する
    5. 2か所給与や給与収入2,000万円超は別基準
  2. 副業ブログの20万円は売上ではなく所得で判定する
    1. 売上30万円でも所得が17万円になる例
    2. ASP収益は入金日だけで決めない
    3. 源泉徴収された報酬は手取り額だけを売上にしない
  3. ブログ収入は雑所得と事業所得のどちらになる?
    1. 収入300万円は自動的な境界線ではない
    2. 判断に迷いやすい3つの事例
  4. 副業ブログの経費はどこまで認められる?
    1. 通信費や家賃は根拠を決めて家事按分する
    2. レビュー商品は記事に載せただけで全額経費にはならない
    3. 旅行代や飲食費は主な目的を確認する
    4. パソコン代は業務割合と減価償却を別に考える
  5. 申告が必要な会社員が次にすることは?
    1. 1.1年間の収入を確定する
    2. 2.必要経費と家事按分を集計する
    3. 3.所得区分を確認する
    4. 4.確定申告書等作成コーナーへ入力する
    5. 5.住民税の手続と保存資料を確認する
    6. 申告漏れに気づいたら早めに確認する
  6. 考察|20万円の直前に慌てないための記録を作る
    1. 年末に見るべきは入金額より「未確定・未入金」の一覧
    2. 20万円以下にするための不要な支出は本末転倒
    3. 1枚の根拠表が翌年の自分を助ける
  7. まとめ|副業ブログは20万円だけで申告不要と決めない
  8. よくある質問
    1. 副業ブログの売上が20万円を超えたら確定申告が必要ですか?
    2. ブログ所得が20万円以下なら住民税も申告不要ですか?
    3. パソコン代はブログ専用なら全額を経費にできますか?
    4. ASPの振込が翌年なら翌年の収入ですか?
  9. 主な確認資料

会社員の副業ブログは確定申告が必要?結論3点

会社員の副業ブログで最初に確認したいのは、対象者・判定する金額・住民税の扱いの3点です。

確認すること 結論
所得税の確定申告 一定の会社員は、給与・退職所得以外の所得合計が20万円を超えると原則必要
20万円の意味 売上ではなく、収入から必要経費を引いた「所得」
20万円以下の場合 所得税の申告を省略できても、住民税の申告が必要になることがある

20万円基準の対象になる会社員

この記事で中心に扱うのは、次の条件に当てはまる人です。

  • 給与を1か所から受け取っている
  • その給与が源泉徴収の対象になっている
  • 勤務先で年末調整を受けている
  • 給与の年間収入金額が2,000万円以下
  • ブログなど、給与・退職所得以外の所得がある

この条件に当てはまる場合、給与所得と退職所得を除く所得金額の合計が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。

国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」と令和7年分の申告手引きにも、1か所給与の会社員について同じ基準が示されています。

20万円ちょうどであれば「20万円を超える」には該当しません。

ただし、後述する住民税や、別の理由で確定申告をするケースまで含めて、何も手続がないと決めつけないことが大切です。

ブログ以外の副業所得も合算する

20万円は、ブログだけに設けられた基準ではありません。

給与所得と退職所得を除き、原則として対象になる所得を合計して判断します。

例えば、次の金額はすべて仮定です。

  • ブログの所得:12万円
  • Webライティングの所得:6万円
  • 資料作成の所得:4万円

ブログ所得だけを見ると20万円以下ですが、給与・退職所得以外の所得は合計22万円です。

前述の会社員の条件に当てはまるなら、原則として確定申告が必要になります。

ASP、広告サービス、クラウドソーシング、振込口座ごとに別々の副業として判定するのではありません。1月1日から12月31日までの給与外所得を横断して集計するのが基本です。

20万円以下は「非課税」ではない

20万円以下の場合に利用できるのは、一定の給与所得者が、所得税の確定申告を省略できる仕組みです。

副業所得そのものが非課税になる制度ではありません。

また、所得税の確定申告をしない場合でも、個人住民税の申告が必要になることがあります。

仙台市は、給与所得者の給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要でも、個人市県民税の申告が必要だと案内しています。横浜市も、給与所得以外の所得が20万円以下の場合、原則として市民税・県民税の申告が必要になると説明しています。

住民税の申告先は、通常、その年の1月1日時点で住所があった市区町村です。

ただし、所得税の確定申告書を提出した場合や、自治体が定める申告不要条件に当てはまる場合は、住民税申告を別途提出しないことがあります。

検索するときは、次のように住所地を入れると公式案内を見つけやすくなります。

「市区町村名 令和8年度 住民税申告」

提出期限、提出先、郵送・電子申告への対応は自治体によって異なるため、住所地の公式情報を結論として確認してください。

医療費控除などで申告するなら副業所得も記載する

ブログ所得が20万円以下でも、医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度などを理由に所得税の確定申告をする場合は、副業所得も申告に含めます。

「医療費控除だけを申告し、20万円以下のブログ所得は記載しない」という処理はできません。

国税庁も、給与以外の所得が20万円以下で通常は確定申告を省略できる人が、還付申告をする場合には、その給与以外の所得も併せて申告する必要があると案内しています。

これは見落としやすい点です。

20万円という数字だけを見るのではなく、その年に確定申告書そのものを提出するかまで確認する必要があります。

2か所給与や給与収入2,000万円超は別基準

次の人は、ここまで説明した単純な20万円判定をそのまま使えません。

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える
  • 2か所以上から給与を受け取っている
  • 年末調整を受けていない
  • 源泉徴収の対象にならない給与がある
  • 同族会社の役員が、その会社から家賃や貸付金の利子などを受け取っている
  • 会社員ではなく、個人事業を本業としている

給与収入が2,000万円を超える人は、給与外所得が20万円以下でも、原則として確定申告が必要です。

2か所以上から給与を受け取る人は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の所得金額との合計などで判定します。所得控除額による例外もあるため、国税庁の判定条件を個別に確認してください。

筆者としては、最初に20万円を計算するより、自分が20万円基準の対象者かを確認するほうが先だと考えます。

入口を間違えると、計算が正しくても結論を誤るからです。


副業ブログの20万円は売上ではなく所得で判定する

副業ブログの申告要否を判断するときは、原則として売上ではなく所得を使います。

計算式は次のとおりです。

ブログ所得=ブログの総収入金額-必要経費

業務に係る雑所得についても、国税庁「No.1500 雑所得」では、総収入金額から必要経費を差し引いて所得を計算すると説明されています。

売上30万円でも所得が17万円になる例

年間のブログ収入が30万円だったとします。

収入を得るために、次の費用を支払ったと仮定します。

  • レンタルサーバー代:1万5,000円
  • 独自ドメイン代:2,000円
  • WordPressテーマ代:1万8,000円
  • 書籍・調査資料代:2万円
  • 画像編集・分析ツール代:3万円
  • 取材交通費:1万5,000円
  • 業務利用分として按分した通信費:3万円

必要経費の合計は13万円です。

所得は次のようになります。

30万円-13万円=17万円

ほかに給与・退職所得以外の所得がなく、1社勤務などの条件を満たす人であれば、所得税の20万円基準では申告を省略できる可能性があります。

反対に、ブログの売上が18万円でも、経費がほとんどなく、別の副業所得が5万円あれば、合計所得は20万円を超える可能性があります。

通帳への入金合計だけでは、申告の要否は判断できません。

ASP収益は入金日だけで決めない

アフィリエイト収益では、次の日付が一致しないことがあります。

  • 成果が発生した日
  • 広告主が成果を承認した日
  • ASP上で報酬額が確定した日
  • 支払対象月
  • 銀行口座へ振り込まれた日

原則として収入に計上するのは、単純な入金日ではなく、報酬を受け取る権利が確定した時点です。

国税庁「No.2200 収入金額とその計算」では、年末までに現金を受け取っていなくても、収入すべき権利が確定した金額をその年の収入とし、具体的な時期は取引内容、契約、慣習などで判断すると説明しています。

例えば、12月に成果が発生しても、翌年1月の承認までは報酬を請求できず、否認される可能性がある契約なら、成果発生日だけで権利が確定したとは限りません。

一方、12月中に承認が完了し、報酬を受け取る権利が確定しているなら、振込が翌年2月でも、原則として12月を含む年の収入になる可能性があります。

ここで重要なのは、ASP管理画面の「確定」という文字だけを切り取らないことです。

  • 確定後に取消しがあるか
  • 最低支払額に達するまで請求権がないのか
  • 報酬の支払条件が規約にどう書かれているか
  • 月別明細でどの期間の報酬と表示されているか

これらを併せて確認します。

実務上は、ASPごとに次の資料を保存しておくと判断しやすくなります。

  • 月別の成果明細
  • 承認日・確定日が分かる画面
  • 支払対象月
  • 振込明細
  • 報酬確定条件が記載された利用規約
  • 年末時点の未払報酬一覧
※画像はAIによるイメージ

なお、業務に係る雑所得については、その年の前々年分の収入金額が300万円以下であるなど一定の条件を満たす場合、実際の入金と支出を基準にする現金主義の特例を選択できる仕組みがあります。

全員が一律に権利確定基準になるとは限らないため、特例を使っている人は処理方法を途中で混ぜないようにしてください。

源泉徴収された報酬は手取り額だけを売上にしない

ブログを通じて企業から記事執筆や原稿制作を依頼されると、報酬から所得税と復興特別所得税が源泉徴収されることがあります。

国税庁は、原稿料などを源泉徴収の対象となる報酬として案内しています。通常、100万円以下の部分には10.21%の税率が用いられます。

報酬額が5万円で、源泉徴収税額が5,105円、振込額が4万4,895円だったと仮定します。

この場合、原則として収入を4万4,895円だけで記録するのではありません。

  • 収入金額:5万円
  • 源泉徴収税額:5,105円
  • 実際の振込額:4万4,895円

この3つを分けて管理します。

源泉徴収税額は必要経費ではなく、先に納められた所得税等として確定申告で精算されます。

すべてのASP報酬が源泉徴収されるわけではありません。企業案件、記事制作費、原稿料がある人は、支払通知書や報酬明細の「支払金額」と「源泉徴収税額」を確認してください。


ブログ収入は雑所得と事業所得のどちらになる?

会社員が副業として運営するブログは、業務に係る雑所得となるケースが多い一方、活動実態が社会通念上の事業と認められれば、事業所得になる可能性があります。

所得区分は、節税効果や赤字額を見て本人が自由に選ぶものではありません。

比較項目 業務に係る雑所得 事業所得
基本的な位置付け 営利目的で継続する副業など 社会通念上、事業と認められる活動
所得計算 総収入金額-必要経費 総収入金額-必要経費
青色申告 利用できない 承認を受ければ利用できる
赤字と給与の損益通算 原則できない 一定の赤字は対象になり得る
青色申告の赤字繰越し 原則利用できない 要件を満たせば原則3年間
判定方法 活動実態を総合判断 活動実態を総合判断

雑所得の赤字は、原則として給与所得など、ほかの所得から差し引けません。

事業所得は損益通算の対象に含まれ、青色申告者には一定の純損失を原則3年間繰り越せる制度があります。

ただし、ブログの赤字を給与と相殺したいという理由だけで、事業所得を選べるわけではありません。

収入300万円は自動的な境界線ではない

「収入300万円を超えれば事業所得、300万円以下なら雑所得」と機械的に決まるわけではありません。

国税庁の所得税基本通達35-2は、事業所得に当たるかどうかについて、その活動が社会通念上、事業と呼べる程度で行われているかで判定するとしています。

帳簿書類を保存していない場合は、収入金額が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合を除き、原則として業務に係る雑所得に該当するという考え方も示されています。

一方、帳簿を保存していれば、それだけで事業所得になるわけではありません。

国税庁の通達解説では、帳簿保存がある場合でも、次のようなケースは個別判断になると説明されています。

  • 収入が例年300万円以下で、主な収入に対する割合が10%未満など、収入金額が僅少と認められる
  • 例年赤字で、収入を増やす活動や黒字化の取組を行っていない
  • 活動の営利性、継続性、規模などから事業と呼べる実態が弱い

同解説では、「例年」はおおむね3年程度の期間とされています。

判断に迷いやすい3つの事例

次の事例は、国税庁の判断要素を理解するための仮定です。個別の所得区分を断定するものではありません。

事例1:年に数回だけ更新し、収入が少額

趣味ブログを年に数回更新し、たまたま広告収入が発生したものの、収益計画や営業活動、帳簿管理を行っていないケースです。

この場合は、独立した事業としての継続性や規模が弱く、業務に係る雑所得と判断される可能性が高いと考えられます。

事例2:継続運営し、取引記録と改善活動がある

複数年にわたり定期的に記事を公開し、広告主との契約、外注管理、専用口座、月次帳簿、収益改善の記録があるケースです。

事業所得と判断される材料は増えますが、給与との収入規模の差、利益の状況、独立性などを含めた総合判断が必要です。

事例3:毎年赤字だが改善策がない

高額な機材や旅行費を計上して毎年赤字になっている一方、記事更新、広告提携、収益改善などの活動がほとんどないケースです。

帳簿が形式的に整っていても、営利性を説明しにくく、事業所得として扱えるか慎重な確認が必要だと考えられます。

筆者としては、帳簿は事業所得へ入るための「入場券」ではなく、実際に何をしてきたかを説明する記録だと捉えるのが堅実だと思います。

開業届を提出した事実も判断材料の一つにはなりますが、開業届だけで所得区分が自動的に決まるものではありません。


副業ブログの経費はどこまで認められる?

必要経費にできるのは、ブログ収入を得るために直接必要だった費用や、その業務について生じた費用です。

家事上の費用は経費になりません。

私用と業務用の両方に関係する家事関連費は、取引記録などに基づき、業務上必要な部分を明確に区分できる場合、その区分した金額に限って必要経費にできます。

この考え方は、国税庁「No.2210 必要経費の知識」に示されています。

判断するときは、次の問いを使うと整理しやすくなります。

「この支出がブログ収入にどう必要だったのかを、日付・用途・金額・関連する記事とともに説明できるか」

費用 経費になり得る例 主な注意点
サーバー代 収益ブログの公開費用 私用サイトとの共用分を分ける
ドメイン代 収益サイトの取得・更新費 対象サイトと利用期間を残す
テーマ・プラグイン 記事管理や表示改善の機能 私用ブログとの共用に注意
分析・編集ツール 順位計測、画像編集、校正 利用目的と契約期間を保存
書籍・調査資料 記事作成に直接使った資料 趣味や一般教養との区分が必要
外注費 記事、画像、校正、修正 請求書、依頼内容、成果物を保存
取材交通費 展示会や取材先への移動 日時、訪問先、記事との関係を残す
パソコン・カメラ 執筆、撮影、分析用の機器 私用割合と減価償却を確認

表に載っている費用であっても、無条件で経費になるわけではありません。

同じ書籍でも、記事を書くために購入した専門資料と、個人的に読みたかった本では、業務との関係が異なります。

通信費や家賃は根拠を決めて家事按分する

自宅のインターネット回線、スマートフォン、電気代、家賃などは、私生活とブログ作業の両方に使われやすい費用です。

業務分を経費にするなら、何となく30%や50%にするのではなく、利用実態に合った基準を決めます。

  • 総利用時間に占めるブログ作業時間
  • 作業日数と1日当たりの作業時間
  • 自宅全体に対する作業スペースの面積
  • スマートフォンの用途や通信量
  • ブログ専用端末・専用回線の有無

例えば、月額6,000円のインターネット回線について、4週間の利用記録からブログ利用が30%と説明できるなら、月額1,800円を業務分として計算する考え方があります。

会社員ブロガー全員に共通する按分割合はありません。

大切なのは、経費割合を大きくすることではなく、毎年同じ考え方で計算し、根拠を残すことです。

家事按分の記録には、次の項目を1枚にまとめておくと確認しやすくなります。

  • 対象費用
  • 年間支払額
  • 業務割合
  • 割合を決めた根拠
  • 計測した期間
  • 年間の必要経費算入額
  • 前年から変更した理由

レビュー商品は記事に載せただけで全額経費にはならない

レビュー記事のために購入した商品は、ブログ収入との関係や使用状況に応じて、経費になる可能性があります。

ただし、写真を掲載しただけで、日常的に使う家電、衣類、食品、家具などの全額が経費になるわけではありません。

少なくとも、次の流れを説明できるようにします。

  • 購入した目的
  • 掲載した記事・企画
  • 撮影や検証を行った期間
  • ブログの収益化方法
  • 記事公開後の使用状況
  • 私用した部分の有無
  • 売却・返品・譲渡の有無

購入後も家族が日常的に使い続ける商品は、私的利用との境界が曖昧になります。

筆者としては、「記事を書いたか」だけではなく、購入から利用終了までの流れを説明できるかで考えるほうが実態に合っていると感じます。

旅行代や飲食費は主な目的を確認する

旅行記事を公開したからといって、旅行代の全額が経費になるとは限りません。

取材が主な目的だったのか、家族旅行の一部を記事にしたのかで、業務との関係は変わります。

展示会取材のために一人で移動し、日程表、訪問先、撮影データ、公開記事が残っているなら、業務目的を説明しやすくなります。

一方、家族旅行の宿泊費や食事代を、旅行記事を公開したという理由だけで家族全員分まで経費にするのは、私的支出との区分が難しくなります。

  • 業務日と私用日
  • 本人分と家族分
  • 取材に直接必要な費用
  • 通常の生活費に当たる部分

これらを分けて記録してください。

パソコン代は業務割合と減価償却を別に考える

パソコンをブログ専用で使っていても、購入代金を必ず購入年に全額経費にできるわけではありません。

確認する論点は2つです。

1つ目は、ブログ業務に使った割合です。

私用と兼用している場合は、業務利用分だけを対象にします。

2つ目は、購入金額に応じた減価償却です。

国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」では、使用可能期間が1年未満、または取得価額が10万円未満の資産は、業務に使用した年分に全額を必要経費にすると説明しています。

取得価額10万円以上20万円未満の資産は、一定の要件を満たせば、3年間にわたり3分の1ずつ必要経費にする一括償却資産の方法を選択できます。

18万円のパソコンをブログ業務に60%使用し、一括償却資産として処理する単純化した例は次のとおりです。

18万円×3分の1×60%=年間3万6,000円

また、一定の青色申告者が2026年3月31日までに取得した10万円以上30万円未満の減価償却資産については、年間合計300万円を上限として取得年の必要経費にできる特例が案内されています。

この特例は、業務に係る雑所得の人が自由に使えるものではありません。

「ブログ専用なので業務割合は100%」という話と、「購入年に全額を経費計上できる」という話は、別の論点です。

※画像はAIによるイメージ

申告が必要な会社員が次にすることは?

令和7年分の所得税の申告・納付期限は、2026年3月16日月曜日でした。

申告相談と受付期間は、2026年2月16日から3月16日までと案内されていました。

現在、令和7年分の申告が必要だったことに気づいた人は、期限が過ぎているからと放置せず、次の順番で資料を整理してください。

1.1年間の収入を確定する

2025年1月1日から12月31日までについて、次の資料を集めます。

  • ASPや広告サービスの月別明細
  • 企業案件の支払通知書
  • 銀行口座の入金明細
  • クラウドソーシングの報酬明細
  • 源泉徴収税額が分かる書類
  • 年末時点の未払報酬

入金額だけでなく、権利確定日と源泉徴収前の報酬額を確認します。

2.必要経費と家事按分を集計する

領収書、請求書、カード明細、銀行明細を基に必要経費を集計します。

家事按分をした費用は、支払額だけでなく、按分割合と根拠も記録してください。

必要経費を作るために、後から私用の買い物を無理に業務費へ振り替えるのは避けます。

3.所得区分を確認する

副業ブログが業務に係る雑所得なのか、事業所得なのかを、活動の実態から確認します。

小規模な副業ブログだから必ず雑所得、開業届があるから必ず事業所得、という単純な判定はできません。

赤字を給与所得と損益通算する予定がある人、収入規模が大きい人、複数年赤字の人は、申告前に税務署や税理士へ相談するほうが堅実です。

4.確定申告書等作成コーナーへ入力する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って所得税の申告書を作成し、e-Taxで提出できます。

雑所得として申告する場合は、画面上の「雑所得」から、活動実態に応じて「業務」に係る入力項目を確認します。

主に入力するのは次の金額です。

  • 収入金額
  • 必要経費
  • 所得金額
  • 報酬の支払者
  • 源泉徴収税額

画面の名称や入力順は更新されることがあるため、対象年分の作成コーナーで表示される案内を優先してください。

源泉徴収された報酬がある場合は、手取り額だけを収入にせず、総額と源泉徴収税額を分けて入力します。

5.住民税の手続と保存資料を確認する

所得税の確定申告を提出した場合、通常は申告内容が自治体にも送られるため、同じ所得について住民税申告を重ねて提出しないケースが一般的です。

所得税の確定申告をしない場合は、住所地の自治体へ住民税申告の要否を確認します。

また、次の資料を年ごとのフォルダにまとめます。

  • 収入一覧
  • 経費一覧
  • ASP明細
  • 銀行・カード明細
  • 請求書・領収書
  • 源泉徴収の支払通知書
  • 家事按分表
  • 減価償却の計算資料
  • 提出した申告書の控え
  • e-Taxの受信通知

業務に係る雑所得では、その年の前々年分の収入金額が300万円を超える場合、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。

事業所得の白色申告者には、法定帳簿を7年間、領収書などの書類を原則5年間保存する制度があります。保存期間は書類の種類や申告方法によって異なります。

請求書や領収書を電子メールや管理画面から電子データで受け取った場合は、電子取引データの保存ルールも確認してください。国税庁は、保存義務の対象者が電子的にやり取りした取引情報について、一定の方法で電子データを保存する必要があると案内しています。

申告漏れに気づいたら早めに確認する

期限後に収入の申告漏れが見つかり、納める税金が少なかった場合は、修正申告などの手続が必要になることがあります。

国税庁は、2026年中の延滞税率について、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%、それ以後は年9.1%と案内しています。

税務調査などを受けて申告漏れを修正した場合には、状況に応じて10%から55%の加算税が課される場合もあります。

税率は、納付時期、申告状況、隠蔽・仮装の有無などによって変わります。

自分で漏れに気づいた段階で、資料を集めて所轄税務署へ相談するほうが、数年分を後から調べ直すより負担を抑えやすいと考えます。


考察|20万円の直前に慌てないための記録を作る

ここからは、物販や副業の収益構造を調べてきた筆者としての私見です。

副業ブログの確定申告で本当に難しいのは、申告書へ数字を入力する作業よりも、その数字をどう作ったのかを説明することです。

年末の通帳残高だけを見ても、12月中に権利が確定して翌年に振り込まれる報酬は分かりません。

領収書だけを集めても、その費用が私用なのか、ブログ収入を得るための費用なのかは説明できません。

年末に見るべきは入金額より「未確定・未入金」の一覧

11月から12月に確認したいのは、年間の入金合計だけではありません。

  • 成果は発生したが承認されていない報酬
  • 承認済みだが未入金の報酬
  • 源泉徴収前の報酬総額
  • 年払いツールの利用期間
  • 高額な機器の取得価額
  • 他の副業を含めた所得見込み

この一覧があれば、「20万円を超えそうか」を年明け前後に判断しやすくなります。

地味ですが、銀行口座へ入った金額だけを追うより、申告漏れを防ぎやすい方法です。

20万円以下にするための不要な支出は本末転倒

所得が20万円を少し超えそうだからといって、不要な商品やツールを購入する必要はありません。

1万円を経費にしても、支払った1万円がそのまま戻るわけではないからです。

必要経費が増えることで課税対象となる所得は減りますが、手元のお金は購入額の分だけ減ります。

筆者としては、支出を次の順番で判断するほうが堅実だと考えます。

1. ブログ運営に本当に必要か
2. 支払額に見合う効果があるか
3. 私用と業務用を分けられるか
4. 必要経費として説明できるか
5. 証拠となる資料を保存できるか

「経費にできるから買う」のではなく、「必要だから買い、業務との関係を確認して経費を計算する」という順番です。

1枚の根拠表が翌年の自分を助ける

筆者が特に有効だと考えるのは、申告書とは別に「判断根拠表」を1枚作る方法です。

例えば、次の項目を並べます。

  • ASPごとの収入計上基準
  • 年末未入金額
  • 家事按分の対象費用
  • 按分割合と計測方法
  • 高額資産の処理方法
  • 雑所得・事業所得を判断した材料
  • 税務署へ確認した日と回答の概要

これは税務上の結論を自分で都合よく決めるための書類ではありません。

翌年になってから、「なぜこの金額にしたのか」を自分でたどれるようにするための記録です。

副業は、売上が少ないうちは記憶だけでも管理できるように感じます。

しかし、ASP、企業案件、物販、外注、複数の決済手段が加わると、記憶は古い地図のように頼りなくなります。

地味な確認を省かず、数字と根拠を同じ場所へ残すことが、申告漏れと過大な経費計上の両方を避ける近道だと私は考えています。


まとめ|副業ブログは20万円だけで申告不要と決めない

1社から給与を受け取り、年末調整済みで、給与収入が2,000万円以下の会社員は、ブログを含む給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。

20万円は売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得で判定します。

ブログ以外の副業所得との合算、住民税申告、医療費控除などで確定申告をする場合、ASP収益の計上時期、源泉徴収税額、雑所得と事業所得の区分も確認してください。

経費は、領収書があるだけでは認められるとは限りません。

ブログ収入との関係、私用分との区分、家事按分の根拠、減価償却の処理を説明できる状態にしておくことが大切です。

令和7年分の申告期限は2026年3月16日に終了しています。

申告が必要だった可能性に気づいた人は、期限が過ぎたことを理由に放置せず、収入明細、経費資料、源泉徴収税額を整理し、所轄税務署や税理士へ確認してください。


よくある質問

副業ブログの売上が20万円を超えたら確定申告が必要ですか?

いいえ、売上だけでは判断しません。

ブログ収入から必要経費を差し引いた所得と、ほかの給与・退職所得以外の所得を合算します。

1社勤務・年末調整済みなどの条件を満たす会社員は、その合計所得が20万円を超えると原則として確定申告が必要です。

ブログ所得が20万円以下なら住民税も申告不要ですか?

条件次第です。

所得税の確定申告を省略できても、住民税の申告が必要になることがあります。

その年の1月1日時点の住所地にある市区町村の公式案内で、提出先、期限、申告不要条件を確認してください。

パソコン代はブログ専用なら全額を経費にできますか?

購入年に全額計上できるとは限りません。

ブログ専用なら業務利用割合は100%と考えやすくなりますが、取得価額に応じて通常の減価償却、一括償却資産、一定の青色申告者向け特例などに分かれます。

業務利用割合と、購入代金を何年で経費にするかは別に確認してください。

ASPの振込が翌年なら翌年の収入ですか?

振込日だけでは決まりません。

原則として報酬を受け取る権利が確定した年の収入となるため、ASPの規約、承認条件、確定報酬明細を確認します。

一定の業務に係る雑所得では、現金主義の特例を選択できる場合があります。


主な確認資料

  • 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」
  • 国税庁「No.1500 雑所得」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「No.2200 収入金額とその計算」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「法第35条《雑所得》関係・所得税基本通達35-2」
  • 国税庁「No.2210 必要経費の知識」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
  • 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
  • 国税庁「こんな収入の申告漏れにご注意」
  • 仙台市「個人市県民税の申告について」(2026年5月21日更新)
  • 横浜市「市民税・県民税申告書に関するよくあるご質問」(2026年4月1日更新)

執筆:黒田 慎一(堅実派のせどり・物販リサーチャー)

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