副業禁止でもブログ収入はバレる?会社員が確認すべき規則と対策

2026年度の住民税通知書と就業規則を机に広げブログ副業のリスクを確認する会社員 副業

副業禁止の会社でも、ブログ収入を知られる可能性はあります。2026年度は一部自治体で副業給与の住民税運用が変わりましたが、ブログの広告収入まで一律に普通徴収できなくなったわけではありません。

先に確認すべきことは、①就業規則を読む、②会社の時間・設備・情報を使わない、③所得区分と住民税の扱いを居住自治体へ確認する、の3点です。

この記事は税務・労務制度に関する一般情報を、2026年7月29日時点で確認できる国税庁、厚生労働省、自治体などの一次資料を基に整理したものです。個別の判断は勤務先の規則や自治体の運用によって異なるため、必要に応じて人事担当者、税務署、自治体、税理士、社会保険労務士、弁護士へ確認してください。

2026年度に住民税の何が変わった?

2026年度から一部自治体では、副業先から受け取る給与を普通徴収に分けず、主な勤務先でまとめて特別徴収する運用へ変わりました。

具体例として、中野区は2025年4月23日に公開した案内で、令和8年度、つまり2026年度以降、主たる給与以外の給与にかかる住民税も、すべて主たる勤務先から特別徴収すると説明しています。中野区公式サイト+1

ここで大切なのは、「副業給与」と「ブログの広告収入」は同じ扱いとは限らないことです。

中野区の案内では、給与以外の所得について、確定申告書第二表などで「自分で納付」を選んだ場合、その所得から生じる所得割額を原則として普通徴収にするとされています。中野区公式サイト

整理すると、中野区の2026年度以降の扱いは次のようになります。

所得の例 中野区が示す2026年度以降の扱い
別会社のアルバイト給与 主な勤務先で特別徴収
ブログ広告など給与以外の所得 「自分で納付」を選べば原則として普通徴収
選択欄が未記入の場合 原則として特別徴収
普通徴収へ分ける税額が生じない場合 全体が特別徴収になることがある

ただし、これは中野区が公表している具体例です。

住民税の基本的な制度は共通していても、申告書の確認方法、通知方法、普通徴収への分け方などの実務運用は自治体によって異なることがあります。中野区の案内を、そのまま全国すべての市区町村へ当てはめることはできません。

今回の変更から読み取れるのは、「確定申告書で自分で納付を選べば、副業なら何でも勤務先と切り離せる」という理解が、より通用しにくくなっていることです。

特に、ブログ運営に加えてアルバイトもしている人は注意が必要です。ブログ収入が給与以外の所得であっても、アルバイト給与にかかる住民税は主な勤務先へ合算される自治体があります。

個人的には、2026年度の変更は「ブログ収入が直ちに会社へ伝わる制度変更」というより、副業の種類ごとに住民税の扱いを分けて確認する必要性が高まった出来事だと考えています。


ブログ収入が会社にバレる主な経路は?

ブログを開設しただけで勤務先へ自動通知される仕組みは通常ありませんが、住民税、公開情報、人づて、本業への影響から知られる可能性があります。

主な経路は次の5つです。

  • 住民税額や徴収方法の変化
  • ブログやSNSに残した個人情報
  • 同僚や知人へ話した内容
  • 会社の端末、回線、アカウントの使用
  • 遅刻、疲労、業績低下など本業への影響

検索結果では「副業がバレる原因は住民税」と説明されることが多いものの、ブログ副業には雇用型の副業とは異なる特徴があります。

それは、自分の行動や考え、写真、活動時間が公開情報として蓄積されることです。

単発のアルバイトは、勤務先や本人が公表しなければ、仕事内容がインターネット上へ残らないこともあります。一方、ブログは記事を増やすほど、本人を推測する材料も積み重なります。

住民税額から給与以外の所得を疑われる

会社員の住民税は、勤務先が給与から差し引いて自治体へ納める特別徴収が一般的です。

ブログの広告収入やアフィリエイト収入による所得が加われば、前年の所得を基に計算される住民税額にも影響する可能性があります。

ただし、会社向けの通知書から、ブログ名や利用している広告サービス、個別の売上明細まで自動的に分かるわけではありません。

中野区は、事業者向けの特別徴収税額通知書には、原則として給与から差し引く税額が記載される一方、所得の種類や金額、控除の内訳は記載されないと案内しています。

通知書の形式や電子化への対応は自治体によって異なるため全国一律とは言えませんが、住民税は「ブログの詳細を会社へ報告する仕組み」ではなく、給与以外の事情を推測されるきっかけになり得るものと捉えるのが適切です。

匿名ブログでも複数の情報から特定される

ペンネームを使い、顔写真や会社名を出していなくても、公開情報の組み合わせから本人が絞り込まれることがあります。

特に注意したい情報は次のとおりです。

  • 勤務する業界や具体的な担当業務
  • 年齢、家族構成、居住地域
  • 出張や社内行事があった日
  • 珍しい経歴や異動歴
  • 社内でしか知られていない出来事
  • 写真に写った名札、資料、建物、位置情報
  • 個人SNSと同じユーザー名やプロフィール画像
  • 記事を更新する曜日や時間帯
  • 会社独自の言い回しや商品情報

一つの情報だけでは特定できなくても、複数の記事を横断すると条件が重なります。

たとえば、「40代」「特定業界の営業職」「今週は大阪へ出張」「新製品の研修に参加」という情報がそろえば、同じ部署の人には見当がつくかもしれません。

ブログの匿名化は、名前を隠すだけでは足りません。記事、写真、SNS、プロフィールを横断しても個人を絞り込めないかという視点が必要です。

会社の設備や勤務時間から発覚する

会社のパソコンで管理画面を開いたり、勤務時間中に記事を更新したりすると、税務以前に服務規律や情報管理の問題になります。

社内チャットへの誤投稿、ブラウザの閲覧履歴、オンライン会議中の画面共有、会社メールへの広告サービス通知なども発覚のきっかけになります。

ここで重要なのは、「見つかったかどうか」だけではありません。

会社の設備や勤務時間を私的な収益活動へ使った事実があれば、ブログの内容が本業と無関係でも、会社側が具体的な規律違反として判断しやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

普通徴収ならブログ収入は会社にバレない?

普通徴収は住民税の納付方法であり、会社に知られないことを保証する制度ではありません。

普通徴収とは、給与から差し引くのではなく、自治体から送られる納付書や口座振替などで本人が住民税を納める方法です。

確定申告書第二表には、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」を選ぶ欄があります。ブログ収入が給与以外の所得として扱われる場合、「自分で納付」を選ぶことで、その所得に対応する住民税を普通徴収にできることがあります。

しかし、次の点を見落としてはいけません。

  • 副業先から受け取る給与は普通徴収にできない自治体がある
  • 「自分で納付」を選ばなければ特別徴収になることがある
  • 控除や赤字の影響で普通徴収へ分ける税額が生じない場合がある
  • 修正申告などにより当初の処理が変わることがある
  • 自治体によって実務上の運用や確認方法が異なる
  • ブログやSNSなど住民税以外の発覚経路は残る

中野区も、給与以外の所得について「自分で納付」を選んだ場合であっても、普通徴収へ回す税額が生じなければ、全体が特別徴収になる場合があると明記しています。中野区公式サイト

具体的には、追加申告した所得が赤字の場合や、追加した所得よりも新たな控除の影響が大きい場合、税額控除が所得増加による住民税額を上回る場合などです。

そのため、確定申告書へ印を付けただけで「処理は完了した」と考えないほうがよいでしょう。

実務上は次の順番で確認します。

1. ブログ収入の所得区分を確認する
2. 確定申告書第二表の住民税欄を記入する
3. 送信・提出した申告書の控えを保存する
4. 居住自治体の公式案内を確認する
5. 必要なら住民税担当部署へ問い合わせる
6. 納税通知書で実際の徴収方法を確認する

自治体へ問い合わせるときは、「副業を会社に隠す方法」を尋ねるのではなく、事務手続きとして具体的に確認するのが適切です。

たとえば、「給与以外の雑所得にかかる住民税について、確定申告書で自分で納付を選択しました。普通徴収として処理されているか確認する方法を教えてください」と伝えれば、確認事項が明確になります。

普通徴収は、発覚防止策というより正しい徴収方法を選択するための税務手続きです。この位置づけを外さないことが大切です。


ブログ収入が20万円以下なら申告しなくてよい?

20万円の基準は主に所得税の確定申告に関するもので、住民税の申告まで一律に不要になる制度ではありません。

国税庁は、給与を1か所から受け、その給与が源泉徴収の対象となる人について、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合などに、確定申告が必要になると案内しています。国税庁+2国税庁+2

ここでいう20万円は、広告報酬などの収入額ではなく所得額です。

一般的には、収入からその収入を得るために直接必要となった経費を差し引いて計算します。

たとえば、年間のブログ収入が25万円で、ブログ運営に直接必要なサーバー代やドメイン代などが8万円なら、単純計算した所得は17万円です。

ただし、所得が17万円だからといって、何の手続きも記録も必要ないとは限りません。

名古屋市は2026年1月13日更新の案内で、給与所得以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、市民税・県民税については原則として申告が必要だと説明しています。所得税の確定申告をした場合は、改めて住民税申告をする必要はないとしています。名古屋市公式サイト+1

この名古屋市の案内も自治体による具体例です。実際の提出先、期限、申告が省略できる条件などは、居住自治体の案内で確認してください。

また、医療費控除や寄附金控除などを受けるために所得税の確定申告をする場合は、20万円以下のブログ所得を都合よく除外して申告できるわけではありません。

「20万円以下なら記録しなくてよい」という考え方も避けるべきです。

20万円以下かを判断するためには、次の記録が必要になります。

  • 広告報酬の確定明細
  • 銀行口座への入金履歴
  • サーバーやドメインの請求書
  • 画像素材やツールの利用料
  • 書籍、通信費などの用途と根拠
  • 返金、取消、未確定報酬の記録

収入と所得を混同すると、申告の要否を誤りやすくなります。

ブログ収入は雑所得になるのか

個人が得るブログ収入は、運営実態に応じて雑所得または事業所得などに区分される可能性があります。

国税庁の「No.1500 雑所得」は、業務に係る雑所得を、副業収入のうち営利を目的として継続的に得るものと説明し、「総収入金額-必要経費」で計算すると案内しています。掲載内容は令和7年4月1日現在の法令等に基づくものです。国税庁

ただし、「会社員の副業だからすべて雑所得」「開業届を出したから自動的に事業所得」と単純には決められません。

活動の継続性、規模、収益性、帳簿の保存状況、利益を得るための具体的な取り組みなど、実態を踏まえた判断が必要です。

この区分は所得税だけの話に見えますが、会社に知られる可能性とも無関係ではありません。所得区分や申告方法を誤れば、住民税の処理も想定とずれることがあるからです。

収入が増えたときや、外注、商品販売、法人化などへ運営形態が変わったときは、税務署や税理士へ確認するのが堅実です。


副業禁止の就業規則はブログにも適用される?

ブログが他社との雇用を伴わなくても、就業規則の「営利活動」「兼業」「自営」などに該当する場合があります。

厚生労働省は2018年1月、モデル就業規則から無許可の他社業務を一律に制限する趣旨の規定を削除し、副業・兼業に関する規定を新設しました。

厚生労働省の副業・兼業ページには、2025年3月31日改定版のパンフレットや届出様式例が掲載されています。厚生労働省+1

また、2025年12月公表のモデル就業規則では、勤務時間外の副業・兼業を認める一方、会社が禁止または制限できる事情として、次の4点が示されています。

  • 労務提供上の支障
  • 企業秘密の漏えい
  • 会社の名誉や信用を損なう行為
  • 競業による会社利益への侵害

ただし、モデル就業規則は、すべての会社へそのまま適用される法律ではありません。各事業場が就業規則を作る際の参考例です。厚生労働省

実際に確認すべきなのは、自分の勤務先が定めた次の文書です。

  • 就業規則
  • 雇用契約書
  • 入社時の誓約書
  • 副業・兼業規程
  • 秘密情報管理規程
  • SNS利用規程
  • 情報機器利用規程
  • 懲戒規程

就業規則の表現によって、ブログとの関係は変わります。

就業規則の文言例 ブログ運営との関係
他社に雇用される場合は届出が必要 雇用を伴わないブログは直接該当しない可能性がある
他の業務に従事する場合は許可が必要 収益化ブログも対象となる可能性がある
営利活動には承認が必要 広告収入を得る運営が該当しやすい
自ら事業を営むことを禁止する 継続性や規模を含めて判断される可能性がある
競業行為を禁止する 本業と同じ市場や顧客を扱う場合は特に注意が必要

「アルバイトではないから副業ではない」と自己判断するのは早計です。

広告サービスとの契約、商品の紹介、オンライン講座やコンテンツの販売などが始まれば、趣味の日記とは異なる営利性が生まれます。

ブログ副業は収益額より公開内容が問題になりやすい

ブログと雇用型副業の大きな違いは、発信内容そのものが公開されることです。

アルバイトでは、会社が主に確認するのは勤務時間、健康状態、競業の有無などです。一方、ブログではそれに加えて、記事の文章や画像が守秘義務違反、信用失墜、競業の証拠として残る可能性があります。

たとえば、収益が月に数百円であっても、未公開の商品情報や顧客との取引内容を書けば、収益額とは別の問題になります。

反対に、一定の収益があっても、勤務時間外に個人端末を使い、一般公開情報だけを扱い、本業と競合せず、必要な届出も行っているなら、会社側が問題とする事情は比較的整理しやすくなります。

会社が見るのは「いくら稼いだか」だけではありません。

  • 本業へ支障が出ていないか
  • 会社の秘密を使っていないか
  • 顧客や取引先と競合していないか
  • 会社設備を私的に使っていないか
  • 会社の信用へ影響を与えていないか
  • 必要な届出を行っているか

この点は、ブログ副業を考えるうえで特に重要です。

収益が少ないうちは問題にならないと考えがちですが、公開した情報の影響は収益額に比例しません。小さな収益でも、情報管理上の問題は大きくなることがあります。

※画像はAIによるイメージ

ブログ収入が会社にバレたら解雇される?

ブログ収入が知られた事実だけで、直ちに懲戒解雇が有効になるとは限りません。

実際には、就業規則の内容、届出義務、本業への支障、競業性、情報漏えい、会社の信用への影響、処分の重さなどが個別に検討されます。

福井県労働委員会事務局は、副業・兼業を理由とする解雇の有効性が争われた裁判例として、次の事例を紹介しています。なお、いずれもブログ運営を直接扱った裁判例ではなく、個別のブログ事案へそのまま当てはめることはできません。

事件名 裁判所・判決日 紹介資料における判断の概要
小川建設事件 東京地裁・1982年11月19日 労務提供へ支障を来すほどの長時間の二重就職について解雇を有効と判断
橋元運輸事件 名古屋地裁・1972年4月28日 競争会社の取締役への就任を理由とする懲戒解雇を有効と判断
国際タクシー事件 福岡地裁・1984年1月20日 勤務時間前の新聞配達を理由とする懲戒解雇を無効と判断
十和田運輸事件 東京地裁・2001年6月5日 年間1、2回の貨物輸送アルバイトを理由とする解雇を無効と判断

福井県の資料は、懲戒権が無制限に行使できるものではなく、企業運営への支障や社会的評価への重大な影響などを含めて判断される趣旨を説明しています。福井県庁+1

これらの事例から読み取れるのは、副業をしたという一事だけでなく、活動の内容と会社へ及ぼした影響が重要になるということです。

ブログで問題が大きくなりやすいのは、次のようなケースです。

  • 勤務時間中に執筆や広告管理を行った
  • 会社のパソコン、回線、メールを使った
  • 社内資料や顧客情報を公開した
  • 未発表の商品や施策を書いた
  • 勤務先と競合する商品を販売した
  • 深夜作業により遅刻やミスが続いた
  • 届出義務を知りながら無断で継続した
  • 勤務先の信用を大きく損なう発信をした

一方、個人の端末と回線を使い、勤務時間外に、本業と関係のない一般公開情報だけを扱っている場合は、会社側が問題とする事情を切り分けやすくなります。

ただし、「裁判になれば解雇が無効になるかもしれない」と考えて、規則を無視するのは勧められません。

処分の有効性を争える可能性があることと、社内での信用低下や長期的な紛争を避けられることは別です。

会社から説明を求められた場合は、感情的に否定するより、次の事実を整理してください。

  • ブログのテーマ
  • 開設日と収益化を始めた時期
  • 作業する曜日と時間
  • 使用した端末と回線
  • 広告や販売などの収益方法
  • 本業との競合関係
  • 会社情報を使用していない根拠
  • 収入と経費の記録
  • 届出や相談を行った履歴

懲戒処分、退職勧奨、損害賠償請求などへ進んだ場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、労働組合、弁護士などへの相談を検討してください。


私見:ブログ副業は「隠す」より「説明できる状態」をつくる

筆者としては、「どうすればブログ収入を会社に知られずに済むか」だけを考えると、重要なリスクの順番を取り違えやすいと感じます。

普通徴収にできても、社内情報を書けば守秘義務の問題が残ります。

匿名で運営しても、会社の端末を使えば情報機器利用規程の問題が生じます。

誰にも話さなくても、睡眠不足による遅刻や業績低下が続けば、本業への支障は表面化します。

税務上の発覚経路を一つ減らすことと、ブログ運営が会社の規則に適合していることは別問題です。

そこで基準にしたいのが、見つからない設計ではなく、見られても事実を説明できる設計です。

ブログ副業の管理は、次の3段階に分けると整理しやすくなります。

始める前に確認する

最初に、就業規則、副業規程、秘密情報管理規程、SNS利用規程を読みます。

「副業」という見出しだけでなく、営利活動、自営、競業、服務規律、信用失墜、会社設備の私的利用、懲戒事由も確認してください。

同時に、ブログのテーマと本業との距離を整理します。

本業と同じ業界を扱う場合は、一般公開情報だけで書くつもりでも、自分がどこで得た知識なのか曖昧になりやすいため、より慎重な確認が必要です。

運営中に分離する

会社とブログの環境は、物理的にもデジタル上でも分けます。

  • 個人の端末を使う
  • 個人契約の回線を使う
  • 個人のメールアドレスを使う
  • 勤務時間中は作業しない
  • 会社資料を保存しない
  • 社内の写真を撮らない
  • 同僚や顧客を記事の題材にしない
  • 公開前に個人情報と機密情報を確認する

特に、「会社名を伏せれば社内情報を書いてもよい」という考え方は危険です。

会社名や人物名がなくても、地域、取引条件、販売数量、時期、商品特徴などを組み合わせれば、会社や取引先が推測されることがあります。

公開前に確認すべきなのは、身元が判明するかだけではありません。その情報を自分の判断で公開する権限があるかという点です。

収益化の節目で再確認する

ブログは、運営段階によって会社や税務上の見方が変わります。

記事を書くだけの無収益段階と、広告契約を結んで継続的な報酬を得る段階では、営利活動としての性質が同じとは限りません。

再確認したい節目は次のとおりです。

  • 広告サービスへ申請するとき
  • 初めて報酬が確定したとき
  • 毎月継続して収益が出始めたとき
  • 商品や有料コンテンツを販売するとき
  • 外注を始めるとき
  • 開業や法人化を検討するとき
  • 本業と近いテーマへ広げるとき

開設時に一度確認して終わりではなく、ブログの性質が変わった時点で、就業規則と税務処理を見直すほうが現実的です。

私は物販を調べる際も、見込利益より先に、販売規約、知的財産権、返品条件、在庫リスクを確認します。

ブログも同じです。広告報酬の数字だけを見ると、就業規則や情報公開の問題が後回しになりがちです。

しかし、ブログは公開した記録が残ります。削除しても、閲覧者の保存や検索結果の履歴まで完全に消せるとは限りません。

その意味で、ブログ副業は単発アルバイトよりも、守秘義務や競業の問題が表面化しやすい側面があります。

地味に見えても、次の順番が堅実です。

1. 就業規則と情報管理規程を読む
2. 本業との競合や守秘義務を確認する
3. 会社の設備、時間、情報と切り分ける
4. 必要な届出や許可を行う
5. 収入と経費を記録する
6. 所得税と住民税の手続きを確認する
7. 収益化や運営変更の節目で見直す

普通徴収は、この中の6番目です。

「普通徴収にしたから問題ない」と考えるのではなく、税務、就業規則、情報管理を別々に確認する必要があります。

問題が起きた後に記事を削除し、会社へ説明し、申告を修正する負担を考えれば、先に確認するほうが結果として近道です。


まとめ

副業禁止の会社でも、ブログ収入は住民税、公開情報、人づて、会社設備の利用、本業への影響などから知られる可能性があります。

2026年度から、中野区など一部自治体では、副業先から受け取る給与にかかる住民税を、主な勤務先でまとめて特別徴収する運用が示されています。ただし、ブログ広告など給与以外の所得まで、全国一律に普通徴収できなくなったわけではありません。

普通徴収を選べる場合でも、勤務先に知られないことを保証する制度ではありません。申告後は、居住自治体の公式案内と実際の納税通知書を確認してください。

また、ブログ所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要になる場合でも、住民税申告が必要になることがあります。

ブログ収入を知られた事実だけで、直ちに懲戒解雇が有効になるとも限りません。実際には、本業への支障、競業、情報漏えい、就業規則、届出の有無、処分の重さなどが個別に判断されます。

最初に行うべき対策は、副業を隠すことではありません。就業規則を確認し、会社の時間・設備・情報とブログを切り分け、税務手続きを正しく行い、質問されたときに事実を説明できる状態をつくることです。


よくある質問

2026年度からブログ収入を普通徴収にできなくなったのですか?

全国一律にできなくなったわけではありません。

中野区の案内では、2026年度以降、別会社から受け取る給与は主な勤務先で特別徴収されます。一方、ブログ広告など給与以外の所得は、「自分で納付」を選べば原則として普通徴収とされています。

自治体ごとに運用が異なるため、居住自治体へ確認してください。

副業禁止でも無収益のブログなら問題ありませんか?

無収益だから直ちに規則違反にならないとは限りません。

会社の秘密を書いた場合、会社設備を使った場合、信用を損なう発信をした場合などは、収益の有無とは別に問題になる可能性があります。

就業規則だけでなく、守秘義務、SNS利用、情報機器利用の規程も確認してください。

ブログ所得が20万円以下なら住民税申告も不要ですか?

一律に不要とは言えません。

20万円基準は主に一定の給与所得者における所得税の確定申告に関するものです。所得税の確定申告をしない場合でも、住民税申告が必要になる自治体があります。

会社にブログ収入が知られたら解雇されますか?

知られた事実だけで、直ちに懲戒解雇が有効になるとは限りません。

本業への支障、競業、情報漏えい、会社設備の利用、届出義務への違反などが個別に検討されます。重大な処分を示された場合は、労働局や弁護士などへ相談してください。


参照した一次資料

  • 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(2025年4月1日掲載内容を2026年7月29日確認)
  • 国税庁「No.1500 雑所得」(令和7年4月1日現在法令等、2026年7月29日確認)
  • 厚生労働省「副業・兼業」および「副業・兼業の促進に関するガイドライン」関連資料(2026年7月29日確認)
  • 厚生労働省「モデル就業規則」2025年12月版(2026年7月29日確認)
  • 中野区「給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について」(2025年4月23日更新、2026年7月29日確認)
  • 中野区「住民税(特別徴収)に関するQ&A」(2026年7月29日確認)
  • 名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?」(2026年1月13日更新、2026年7月29日確認)
  • 福井県労働委員会事務局「職場のトラブルQ&A~兼業理由の懲戒解雇~」(2022年4月27日最終更新、2026年7月29日確認)

最終更新日:2026年7月29日

著者:黒田 慎一(堅実派のせどり・物販リサーチャー)

監修:税理士・社会保険労務士・弁護士等による専門家監修は行っていません。

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