30代男性の副業実施率は13.3%。始めるなら、本業経験を使い、月5万円までの道筋を逆算するのが堅実です。
2026年2月9日、「and HiPro」は30代におすすめの副業と選び方を解説する記事を公開しました。背景にある2025年の調査では、正社員の副業実施率が過去最高の11.0%となる一方、過重労働の増加も示されています。
2026年2月9日のHiPro記事では何が示された?
結論からいうと、2026年2月9日に新しい副業調査が発表されたわけではありません。
同日に公開されたのは、パーソルキャリアの「and HiPro」による解説記事「30代におすすめの副業は?30代ならではの選び方・注意点を徹底解説」です。
記事では、30代が副業をする理由やメリットとして、社外での市場価値の確認、本業経験の活用、収入源の確保、キャリアの選択肢拡大などが挙げられました。
具体的な副業として紹介されたのは、スポットコンサル、DX支援、人事・採用支援、広報・PR支援、外部PM、メンタリング、企業研修など、実務経験を生かす仕事が中心です。
元になった一次資料は、パーソル総合研究所が2025年10月28日に公表した「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」です。
調査は2025年8月1日から7日にインターネット上で実施されました。個人調査①の対象は、従業員10人以上の勤務先に勤める全国の20~60代の有業者6万2,320人で、そのうち20~50代の正社員は3万8,766人です。
企業調査は、従業員10人以上の企業に勤務し、人事制度を把握している経営層・人事担当者1,500人を対象としています。
つまり、今回のニュースを正確に整理すると、次の流れになります。
- 2025年10月28日:パーソル総合研究所が調査結果を公表
- 2026年2月9日:and HiProが調査結果を用いて30代向けの副業を解説
- 注目された数字:30代男性の副業実施率13.3%
- 会社員への意味:副業は広がっているが、時間管理と契約確認の重要性も増している
公開日と調査日を分けて理解することは、地味ですが大切です。
「2026年に30代男性の13.3%が副業をしている」と断定するのではなく、正確には、2025年8月に実施された調査で13.3%だった数字が、2026年2月の記事で紹介されたということです。
30代男性の副業実施率13.3%は何を意味する?
30代男性の副業実施率は、2023年調査の8.4%から、2025年調査では13.3%へ上昇しました。
2年間で4.9ポイント増えた計算です。正社員全体の副業実施率も、2023年の7.0%から2025年には11.0%へ4.0ポイント上昇し、2018年の調査開始以降で最も高くなりました。
ただし、13.3%は「ほとんどの30代男性が副業をしている」という数字ではありません。
およそ7~8人に1人の割合であり、副業をしていない人のほうが多い状態です。周囲に遅れないために急いで始めるのではなく、自分の条件に合うかを確認する必要があります。
企業の副業容認率と受入率は別の数字
調査では、社員の副業を認めている企業の割合である「副業容認率」は64.3%でした。
一方、社外から副業人材を受け入れている企業の割合である「副業受入率」は29.1%です。2023年調査と比べると、容認率は3.4ポイント、受入率は4.7ポイント上昇しています。
and HiProの記事には、副業容認率や副業受入率が「3割前後まで広がっている」と読める記述がありますが、一次資料では両者に大きな差があります。
正しくは、次のように分けて考えるべきです。
- 自社社員の副業を認める企業:64.3%
- 外部の副業人材を受け入れる企業:29.1%
- 実際に副業をしている正社員:11.0%
これは、副業を認める会社が増えても、仕事を発注する会社が同じ割合で増えるとは限らないことを意味します。
副業を解禁する動きは進んでいますが、案件が簡単に見つかるわけではありません。自分の経験を相手の課題に合わせて説明する力が必要です。
30代の副業時間は月平均23.6時間
2025年調査では、20~50代の正社員で副業をしている人の活動時間は、月平均23.0時間でした。
年代別では、30代が月平均23.6時間です。週に直すと、おおむね5~6時間に相当します。
この数字を見ると、30代会社員が月100時間以上を副業に使う前提で計画するのは、一般的な実態から離れていると分かります。
本業や家庭と両立しながら月数万円を目指すなら、長時間働く方法よりも、限られた時間でどの経験を提供するかを考えたほうが現実的です。

30代男性におすすめの副業8選を比較
and HiProの記事では、実務経験を活用する専門職系の副業が紹介されました。
この記事では、近い内容であるメンタリングと企業研修を一つにまとめ、在宅副業として検索されやすいWeb制作・ライティングと、筆者の専門領域である物販を加えて8種類に整理します。
比較表の「月5万円の設計例」は、報酬相場や収入を保証する数字ではありません。
月5万円の売上を作るには、どの程度の単価と作業量が必要になるかを逆算した例です。実際の報酬、経費、税金、受注件数は案件や経験によって変わります。
副業 主に向く人 月5万円の設計例 月の稼働例 追加費用の考え方 主な案件獲得経路
スポットコンサル 業界経験を説明できる人 1万円×5件 5~10時間 既存の通信環境があれば小さい 専門人材サービス、知人紹介
業務改善・DX支援 ツール導入や業務設計の経験者 5,000円×10時間 10~20時間 PC、ツール検証費 副業マッチング、直接提案
採用・人事支援 採用や育成の実務経験者 5,000円×10時間 10~20時間 原則小さい 人材系サービス、紹介
広報・マーケティング支援 PR、広告、販促の経験者 約3,400円×15時間 15~25時間 分析・制作ツール代 実績紹介、業界人脈
外部PM・進行管理 複数人を調整してきた人 2,500円×20時間 15~25時間 原則小さい スタートアップ求人、紹介
メンタリング・企業研修 管理職、育成、講師経験者 1万円×5回 8~20時間 資料作成費、会場費 研修会社、紹介、直接提案
Web制作・ライティング 成果物を作り続けられる人 2,000円×25時間 20~30時間 学習・ソフト費 クラウドソーシング、営業
せどり・物販 商品調査と収支管理が得意な人 粗利益2,500円×20個 15~30時間 仕入れ、送料、保管費 ECモール、フリマサービス
1.スポットコンサル
業界経験が5年以上あり、現場の仕組みを自分の言葉で説明できる人に優先して検討してほしい副業です。
スポットコンサルでは、特定の業界、市場、業務について、1時間程度の面談などで情報を提供します。
製造業の調達、小売店の在庫管理、法人営業の商談プロセス、物流現場の運用など、検索だけでは分かりにくい実務上の知見が対象になります。and HiProの記事でも、短い時間で専門知識を提供でき、本業と両立しやすい仕事として紹介されています。
始めるときは、「営業が得意です」のような広い表現ではなく、次のように範囲を絞ります。
- 特定業界の新規開拓で確認すべき商習慣
- 在庫過多を防ぐために現場で見ていた数字
- システム導入時に反発が起きやすい工程
- 新人が独り立ちするまでの教育手順
一方、勤務先の未公開情報や取引先情報を話さなければ価値を出せない人には勧めにくい副業です。
知識があることと、その知識を外部へ提供してよいことは別です。守秘義務と競業の線引きを最初に確認してください。
2.業務改善・DX支援
SFA、CRM、電子契約、クラウドストレージなどを、選定から社内定着まで担当した経験がある人向けです。
単にツールを使ったことがあるだけでなく、現場の業務を整理し、導入後に使われる状態まで整えた経験が価値になります。
具体的には、業務フローの可視化、ツール選定、初期設定、マニュアル作成、社員向け説明会、導入後の利用確認などです。元記事でも、中小企業に対する基礎的なIT化や、定着支援の需要に触れています。
最初から会社全体のDXを請け負う必要はありません。
「請求書の発行手順を整理する」「顧客情報を一つの表にまとめる」など、成果物を限定した小さな案件から始めるほうが、作業量を管理しやすくなります。
筆者として勧めにくいのは、触ったことのないツールを、受注してから調べようとする始め方です。
障害対応やデータ移行まで求められる可能性があるため、対応範囲、連絡可能時間、修正回数、追加料金の条件を契約前に決めてください。
3.採用・人事支援
採用担当、人事制度運用、部下育成などを実務で担当してきた人に向きます。
仕事内容には、求人票の改善、スカウト文面の作成、面接代行、面接官研修、採用フローの整理、評価項目の素案作成などがあります。
元記事では、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、人事制度の初期設計に関する支援も挙げられています。
最初の案件では、会社全体の賃金制度を一から作るよりも、求人票や面接評価表など、範囲を区切れる成果物から始めるほうが堅実です。
採用や評価には、応募者と従業員の個人情報が含まれます。
私物端末への保存、家族と共用するパソコンでの作業、不要になったデータの放置は避けなければなりません。情報管理の環境を用意できない人には勧めにくい副業です。
4.広報・マーケティング支援
広報、広告運用、販売促進、営業企画の経験があり、施策と数字を結び付けられる人向けです。
支援内容は、プレスリリースの作成、顧客像の整理、発信テーマの設計、SNSやオウンドメディアの運用、営業資料の改善などです。
重要なのは、投稿や記事を作ることだけではありません。
誰に何を伝え、問い合わせ、資料請求、購入などのどの行動につなげるかを整理します。元記事でも「誰に・何を・どう伝えるか」という戦略の重要性が示されています。
ただし、売上は商品力、価格、営業体制、競合、在庫状況などにも左右されます。
自分が担当していない範囲まで含めて「売上を増やします」と約束するのは避けるべきです。
筆者なら、最初は「営業資料10ページの改善」「発信テーマ3か月分の設計」など、納品物が分かる仕事を優先します。
5.外部PM・プロジェクト進行支援
会議を開くだけでなく、会議後に人が動く状態を作ってきた人向けです。
外部PMは、会議の進行、議事録、タスク整理、ガントチャート作成、進捗確認、部門間の連絡調整などを担当します。
大企業では日常的な進行管理でも、管理体制が整っていない小規模企業では価値を持つことがあります。元記事でも、スタートアップの事業拡大に組織作りが追いつかない場面での役割が紹介されています。
注意点は、作業時間よりも拘束時間が膨らみやすいことです。
平日昼間の定例会議、チャットへの即時返信、突発的なトラブル対応が求められると、本業との両立が難しくなります。
勤務時間中に会議へ出られない会社員は、夜間や休日だけで完結する案件か、進捗表の整備など非同期で進められる支援を選んでください。
6.メンタリング・企業研修
管理職、教育担当、社内講師として、人に教えた経験がある人向けです。
営業、コンプライアンス、文章作成、業務改善、会議運営など、本業で扱ってきたテーマを整理して伝えます。
メンタリングでは若手や中堅社員との面談、企業研修では教材作成、講義、演習、質疑応答などが主な仕事です。元記事でも、1on1メンタリングと専門分野の企業研修が候補として紹介されています。
教える仕事は、準備時間を見落としやすい点に注意が必要です。
1時間の研修でも、打ち合わせ、資料作成、練習、修正を含めると、実際の稼働は数倍になる場合があります。
また、キャリア上の助言と、医療や心理に関する相談は分けなければなりません。
心身の不調を診断したり、治療に関する判断をしたりせず、必要に応じて適切な専門窓口への相談を促す姿勢が必要です。
7.Web制作・ライティング・動画編集
在宅で成果物を作りたい人には選択肢ですが、未経験から短期間で月5万円を得たい人には優先して勧めません。
Web制作、記事作成、デザイン、動画編集などは、納期までに成果物を提出する案件が多く、平日の夜や休日に進めやすい特徴があります。
一方、未経験者は学習、練習作品の制作、ポートフォリオ作成、営業を経て、初めて有償案件へ進みます。
案件を取るまでの時間を考えると、本業経験を直接販売できる人より収益化までの距離が長くなりやすい仕事です。
挑戦する場合は、何でも受けるのではなく、本業経験との掛け合わせを考えます。
- 製造業経験者が製造業の記事を書く
- 採用担当者が求人コンテンツを作る
- 営業経験者が営業資料を改善する
- 物販経験者がECの商品ページを作る
作業技術だけでなく業界理解も提供できれば、価格だけの比較から抜け出しやすくなります。
8.せどり・物販・EC販売
数字の確認、梱包、保管、問い合わせ対応を地道に続けられる人向けです。
物販では、商品を仕入れ、販売代金から仕入れ値、販売手数料、送料、梱包費、保管費、返品損失などを引いて利益を計算します。
売上5万円と利益5万円は、まったく意味が違います。
月5万円の利益を目指す場合、1個当たりの最終利益が2,500円なら20個、1,000円なら50個を販売する必要があります。さらに、売れ残りや返品も考慮しなければなりません。
私は以前、十分に調べず物販を始め、在庫を抱えた経験があります。
当時の仕入額や在庫期間について、公開できる一次記録を提示していないため、具体的な金額を成功談や失敗談として作ることはしません。
ただ、その経験以降、仕入れ前には少なくとも次の項目を確認する方針に変えました。
- 過去に実際に売れた価格
- 売れるまでにかかった期間
- 同じ商品の出品者数
- 手数料、送料、梱包費
- 値下げした場合の最終利益
- 返品や破損が起きた場合の損失
- 在庫を置く場所
- 販売先の規約と出品制限
物販を初めて経験するなら、まず自宅の不用品
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無料の範囲と、有料になる境目。
先に確認しておく。無料をうたうサービスは、どこから有料なのかを最初に押さえるのが基本です。ゼロアカの公式サイトには、無料コンテンツを視聴したうえで、希望する人にのみ有料サービスを案内すると明記されています。登録は無料、解約もいつでも可能とのこと。まず中身を見てから判断する、という順番なら手堅いはずです。
- 無料:講義動画100本以上・視聴期限なし
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— 黒田 慎一

