副業の始め方完全ガイド|初心者が迷わず動ける7ステップ

自宅の机で就業規則と副業計画を確認する40代会社員 副業

40代会社員の副業の始め方は、就業規則と使える時間を確認し、費用を限定して小さな仕事を1件試すことです。

副業名を延々と比較するより、目的・会社の規則・時間・損失の上限・撤退条件を順番に決めたほうが、生活を崩さず適性を確かめられます。

本記事の税務・労務部分は専門家監修ではありません。総務省、厚生労働省、公正取引委員会、国民生活センター、国税庁、自治体の公表資料を2026年8月6日に確認し、一般的な制度として整理しています。個別の契約や申告は、勤務先、税務署、自治体、税理士などへ確認してください。

40代会社員の副業の始め方は、なぜ「順番」が重要なのか?

副業を始める人は増えていますが、興味を持つことと、無理なく継続できることは別の話です。

総務省統計局が2023年7月21日に公表した「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」によると、2022年10月1日時点で、非農林業従事者のうち副業がある人は305万人でした。2017年より60万人増えています。総務省統計局+1

同じ調査では「追加就業希望者」が493万人とされています。これは単純な「副業希望者」ではなく、現在の仕事を続けながら、ほかの仕事もしたいと考えている人のことです。2017年より93万人増えました。対象となる非農林業従事者は、本業が農業・林業および分類不能の産業ではない有業者を指します。総務省統計局+1

この数字から分かるのは、副業への関心が珍しいものではなくなった一方、実際に始めている人より、追加の仕事を希望している人のほうが多いということです。

ただし、493万人という数字を「副業を始めれば収入が増える人」と読み替えることはできません。希望者の人数は、収益性や継続率を示すデータではないからです。

40代会社員の場合、使える資源はお金だけではありません。

本業で積み上げた信用、睡眠、体力、休日、家族と過ごす時間も、いったん失うと簡単には戻せない資源です。副業を選ぶ際は「いくら稼げそうか」だけでなく、何を差し出す仕事なのかまで見る必要があります。

この記事では、40代会社員が副業を始める順番を、次の7ステップに絞ります。

1. 副業の目的を決める
2. 就業規則と契約条件を確認する
3. 使える時間と費用の上限を決める
4. 収入の仕組みから副業を選ぶ
5. 小さな仕事を1件だけ試す
6. 利益・時間・負担を記録する
7. 税金を準備し、継続か撤退かを判断する

大事なのは、7つを一気に完璧に進めることではありません。

順番を飛ばさず、判断材料を一つずつそろえることです。地味に見えますが、勢いだけで高額な講座や大量の在庫を抱えるより、後戻りしやすい始め方になります。


ステップ1〜2:目的を決め、就業規則と契約を確認する

ステップ1:副業の目的を一文で決める

最初に決めるのは、副業の種類ではなく目的です。

「収入を増やしたい」だけでは範囲が広すぎるため、何に使うお金なのか、いつまでに必要なのか、将来に何を残したいのかまで書き出します。

たとえば、目的によって候補は変わります。

  • 毎月の固定費の一部を補いたい
  • 年に一度の旅行費用を準備したい
  • 住宅や教育に関する将来の支出に備えたい
  • 転職に使える文章力やITスキルを身につけたい
  • 自宅の不要品を整理しながら販売の流れを学びたい
  • 本業以外にも仕事を受けられる状態をつくりたい

早めに現金化したい人に、収益化まで時間のかかるブログが合うとは限りません。

反対に、将来の仕事につながるスキルを育てたい人が、単純作業だけを長く続けても、目的に近づけない場合があります。

最初の目標は、売上額だけで設定しないほうが現実的です。

「30日以内に候補を2つに絞る」「小さな案件を1件完了する」「不要品を3点出品する」といった行動目標なら、市場の反応に左右されず進捗を確認できます。

目標額を置く場合も、最初から生活を変えるほどの金額を前提にせず、次の流れを一度経験することを優先します。

  • 条件を確認する
  • 応募または出品する
  • 作業や発送を行う
  • 報酬を受け取る
  • 経費と時間を記録する

私は、副業の初期段階を「稼ぐ期間」というより、仕事の流れを検品する期間だと考えています。

物販でいえば、商品を仕入れる前に、出品、購入者対応、梱包、発送、入金までの工程を知る段階です。工程のどこで負担を感じるかは、実際に一巡しないと見えません。

ステップ2:会社の就業規則と申請手続きを確認する

会社員は、副業を始める前に勤務先の就業規則を確認します。

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は2018年1月に策定され、2020年9月、2022年7月に改定されました。同ガイドラインは、労働時間外をどう使うかは基本的に労働者の自由としつつ、企業が副業を制限し得る例として、労務提供上の支障、秘密漏えい、競業による利益侵害、会社の名誉や信用を損なう行為などを挙げています。厚生労働省+1

一方で、厚生労働省が原則として副業を認める方向を示していても、自社の申請手続を省いてよいことにはなりません。

勤務先によって、自由、届出制、許可制、条件付き許可など運用が異なるため、次の点を確認します。

  • 副業そのものが認められているか
  • 事前の届出や許可が必要か
  • 認められない業種や取引先があるか
  • 副業時間の上限や報告義務があるか
  • 本業と競合する活動に制限があるか
  • 会社の設備、情報、アカウントを使ってよいか
  • 副業開始後の定期報告が必要か

許可制の会社で起きやすいのは、副業の内容を曖昧なまま申請し、確認に時間がかかることです。

「インターネット関連」「物販」「業務委託」とだけ書くより、仕事内容、取引相手、予定時間、競業の有無、会社情報を使用しないことまで整理したほうが、会社側も判断しやすくなります。

厚生労働省のガイドラインは、副業によって就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による時間と健康の管理も必要だとしています。企業側にも、届出時の確認や開始後の状況把握などが示されています。厚生労働省+1

私は、就業規則の確認を「会社に見つからない方法を探す作業」にしてはいけないと考えています。

副業で増やしたいのは選択肢であって、本業で築いた信用を危うくする要因ではありません。規則が分かりにくければ、人事・総務へ事実ベースで確認するのが堅実です。

業務委託では、口約束のまま作業を始めない

副業には、アルバイトなどの雇用契約と、成果物や業務を提供する業務委託があります。

業務委託を受ける場合は、少なくとも次の条件を、メールや契約書など後から確認できる形で残します。

  • 依頼者の名称と連絡先
  • 具体的な作業内容
  • 納品日と納品方法
  • 報酬額または計算方法
  • 支払日
  • 修正の範囲と回数
  • 著作権や成果物の利用範囲
  • 秘密保持の対象
  • 中途終了の条件
  • 手数料や必要経費の負担者

2024年11月1日には「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されました。法律上の対象に該当する業務委託では、発注側に対し、業務内容、報酬額、支払期日などの取引条件を書面またはメール等で明示する義務が設けられています。口頭だけの明示は認められていません。日本取引所監視委員会+1

ただし、一般にフリーランスと呼ばれるすべての働き方が、同法の対象になるわけではありません。取引の当事者や従業員の使用状況などによって適用関係が変わるため、個別案件は公正取引委員会などの案内で確認してください。日本取引所監視委員会+1

契約書があるだけで、条件が妥当になるわけでもありません。

仕事内容が広すぎる、修正回数が無制限、支払日がない、著作権の譲渡範囲が不明といった契約は、作業開始後の負担を読みにくくします。初心者ほど報酬額だけを見ず、仕事の終わりがどこにあるかを確認してください。


ステップ3〜4:使える時間と費用を決め、副業を4タイプに分ける

ステップ3:時間・お金・信用の上限を先に決める

副業に使える時間は、理想ではなく、現在の生活から計算します。

たとえば平日に30分ずつ、土日に2時間ずつ確保できるなら、週6時間30分です。ただし、その全時間を受注作業に使えるとは限りません。

副業には、報酬が直接発生しない周辺作業があります。

  • 案件や商品のリサーチ
  • 応募文や出品ページの作成
  • 発注者や購入者との連絡
  • 学習や操作確認
  • 修正、梱包、発送
  • 売上と経費の記録

「週6時間使える」と考えて案件を詰め込むと、連絡や修正が増えた週に余白がなくなります。

最初は、確保できる時間のすべてを契約で埋めず、急な本業や家庭の予定に対応できる余白を残すのが現実的です。

厚生労働省も、副業・兼業では長時間労働にならないようにする必要性を示しています。雇用契約を複数結ぶ場合は労働時間の取扱いも関係するため、勤務先と副業先の双方へ必要な申告を行ってください。厚生労働省

初期費用にも上限を設けます。

ここでいう費用は、講座代や機材代だけではありません。物販なら、仕入れ、販売手数料、送料、梱包資材、交通費、保管場所、返品、値下げによる差損まで含めます。

たとえば3,000円で仕入れた商品を7,000円で売っても、4,000円がそのまま利益になるわけではありません。

仮に販売手数料700円、送料750円、梱包費150円がかかれば、残る金額は1,400円です。さらに移動時間、撮影、出品、購入者対応を含めると、仕事としての評価は変わります。

この数字は一般的な利益を示すものではなく、費用構造を確認するための仮定例です。手数料や送料はサービス、配送方法、商品サイズによって変わるため、利用前に各社の最新条件を確認してください。

私が副業候補を見る際は、次の3つを別々の台帳として考えます。

  • お金の台帳:先に出ていく金額と、回収できない可能性
  • 時間の台帳:学習、営業、連絡を含む総時間
  • 信用の台帳:本業、家族、取引相手との約束に与える影響

売上だけが黒字でも、睡眠不足で本業の品質が下がれば、生活全体では黒字とは言い切れません。

40代会社員の副業では、限られた資源を全部投入するより、余白を残したまま検証できる規模に抑えることが重要です。

ステップ4:副業を「収入が生まれる仕組み」で選ぶ

初心者は、副業名を一つずつ比較するより、収入が生まれる仕組みを4タイプに分けると選びやすくなります。

タイプ 主な例 収入までの傾向 初期の確認ポイント
作業受注型 Webライティング、データ入力、事務代行 納品後に報酬を得やすい 実質時給、修正回数、支払日
スキル販売型 デザイン、資料作成、相談、オンライン講師 購入者や依頼者の獲得次第 見本、価格、手数料、対応範囲
コンテンツ型 ブログ、電子書籍、有料記事 収益化まで時間がかかる場合がある 集客、更新負担、広告表示
販売・物販型 不要品販売、ハンドメイド、せどり 商品が売れれば入金される 送料、在庫、返品、保管場所

作業受注型は、案件が完了すれば報酬につながりやすい一方、案件探しと応募に時間がかかります。

表示報酬が3,000円でも、応募、調査、作業、修正、連絡に合計5時間かかれば、単純計算の実質時給は600円です。最初は慣れによる時間短縮も見込めますが、何件まで低い条件を受けるかは決めておくべきです。

スキル販売型は、サービスを公開しても、すぐ購入されるとは限りません。

誰の何を手伝うのか、納品物は何か、何日かかるのか、追加料金が発生する条件は何かを具体化する必要があります。相談サービスでは、対応できない内容も先に示したほうがトラブルを減らせます。

コンテンツ型は、作成物が後に残る可能性があります。

一方で、記事や教材を公開するだけでは見つけてもらえません。制作時間だけでなく、検索されるテーマの調査、改善、更新、広告や販売であることの適切な表示も必要です。

販売・物販型は、結果を数字で確認しやすい反面、画面外の作業が多い仕事です。

スマートフォンで出品できても、清掃、検品、撮影、採寸、梱包、発送、返品対応までスマートフォンの中で終わるわけではありません。私は物販を始めた当初、この「画面外の手間」と売れ残りを軽く見て、在庫を抱えました。

その経験から、物販初心者には、仕入れより先に自宅の不要品を出品して流れを確かめる方法を勧めています。

ただし、家庭で使っていた不要品を売ることと、利益を目的に商品を仕入れて継続販売することは、作業上も税務上も同じではありません。この違いはステップ7で改めて説明します。

副業タイプを選ぶ際、初心者が単価より先に見るべきなのは、受注前の時間、固定費、売れなかった場合の処理、やめるときに残る負担です。

収益の入口だけでなく、出口まで見える副業ほど、小さく検証しやすくなります。


ステップ5〜6:小さな仕事を1件試し、実質時給を記録する

ステップ5:7日程度で区切れる仕事を1件試す

候補を決めたら、準備に何か月もかけるのではなく、小さな実地テストを行います。

最初の仕事は、次の条件を満たすものが向いています。

  • 作業内容を自分の言葉で説明できる
  • 報酬と支払条件が分かる
  • 追加費用の上限が分かる
  • 借入れを必要としない
  • 1週間程度で一区切りつけられる
  • 合わなければ追加契約せず終了できる

具体的には、不要品を1点出品する、納品条件が明確な小規模案件を1件受ける、得意分野のサービスページを一つ公開する、といった規模です。

これは小さな売上を軽視する考え方ではありません。

初回の目的は、作業の全体像を知り、次の判断に使えるデータを得ることです。規模を大きくするのは、その後でも遅くありません。

注意したいのは、仕事を得るはずだったのに、途中からこちらがお金を支払う話へ変わるケースです。

国民生活センターは2026年5月19日、「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」を公表しました。掲載された2025年11月受付の相談事例では、動画に「いいね」をする作業で最初に約2,500円が振り込まれた後、「失敗したのでグループの連帯責任になる」などとして約50万円を要求され、その後も支払いを求められています。国民生活センター

同センターは、「いいねを押すだけ」「スタンプを送るだけ」「動画を見るだけ」などの広告をうのみにしないこと、相手が不明な場合に個人情報を安易に渡さないこと、遠隔操作アプリを入れないこと、報酬を得るはずなのに振り込みを求められた場合は支払わず相談することを呼びかけています。国民生活センター

2023年10月27日の注意喚起でも、「スマホだけ」「1日10分」などの広告から登録し、マニュアル代や高額なサポート契約を勧められる相談事例が紹介されました。作業内容や利益の仕組みが分からない契約を避けるよう案内されています。国民生活センター

公表事例の中心は若い年代ですが、確認すべき構造は年代を問いません。

次のような変化が起きたら、契約や送金を急がず立ち止まってください。

  • 応募した仕事の説明より、教材や講座の話が長い
  • 外部のメッセージアプリへ急いで移動させる
  • 仕事内容より収益額ばかり強調する
  • 報酬を受ける前に高額な支払いを求める
  • 借入れやクレジット契約を勧める
  • 遠隔操作アプリの導入を求める
  • 会社名、所在地、契約相手が確認できない
  • その場で決めなければ不利になると急かす

学習サービス自体が問題なのではありません。

仕事への応募と、有料講座の購入は別の判断です。両者を一つの流れで決めず、講座の内容、総額、解約条件、提供者、受講後に仕事が得られる根拠を分けて確認する必要があります。

ステップ6:売上ではなく「手残り・総時間・負担」を記録する

1件終えたら、売上額だけで成功か失敗かを判断しません。

最低限、次の項目を記録します。

  • 報酬または売上
  • 仕入れ、手数料、送料、材料費
  • 案件探しや商品調査に使った時間
  • 応募、連絡、修正、発送に使った時間
  • 精神的・身体的な負担
  • 次回に再利用できる資料や作業手順
  • 発生した問題と改善案

実質時給は、次のように考えます。

実質時給=売上から必要経費を引いた金額÷副業に使った総時間

仮に3,000円の案件で経費がなく、実作業が2時間だったとします。

それだけなら時給1,500円ですが、案件探しと応募に1時間、事前確認に30分、修正と連絡に1時間かかれば、総時間は4時間30分です。実質時給は約667円になります。

この計算だけで、初回案件を悪い仕事と決める必要はありません。

初回に作ったテンプレートや調査方法を次回も使え、2件目以降の時間を短縮できるなら、改善の余地があります。反対に、毎回同じ量の無料対応や修正が発生するなら、慣れだけでは解決しません。

私は、仕事を次の4項目で評価します。

1. 手元に残った利益
2. 投じた総時間
3. 生活と本業への負担
4. 次回に残る資産

次回に残る資産とは、顧客評価、作品例、販売データ、商品知識、手順書、文章の型、取引先との関係などです。

ただし、「実績になる」という理由で、条件の悪い仕事を長く続ける必要はありません。

実績作りとして受ける件数を先に決め、その件数を終えたら単価、契約条件、案件の探し方を見直します。期限を決めない実績作りは、低い条件を受け続ける理由になりやすいからです。


ステップ7:副業の税金を記録し、90日後に継続を判断する

副業の税金は、申告時期になってからまとめて考えるのではなく、最初の取引から記録します。

記帳を後回しにすると、数か月分の入金履歴、手数料、送料、領収書をさかのぼることになります。少額のうちに記録の型を作ったほうが、後の負担を抑えられます。

会社員の副業では、「20万円」という数字だけが独り歩きしがちです。

国税庁のタックスアンサーNo.1900とNo.1906は、年末調整済みの給与を1か所から受け、その給与が源泉徴収の対象となる人について、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合、原則として所得税の確定申告が必要と説明しています。基準になるのは一般に売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得です。国税庁+1

ただし、「副業所得が20万円以下なら申告に関する確認は不要」という意味ではありません。

給与を2か所以上から受け取る場合は、年末調整されなかった給与収入と、給与・退職所得以外の所得との合計で判定する規定があります。給与収入や控除の状況による条件もあるため、単純に副業利益だけを見て判断できない場合があります。国税庁

また、医療費控除や寄附金控除など別の理由で確定申告を行う場合は、原則として申告対象となる所得を含めて手続する必要があります。国税庁も、確定申告をする場合は原則としてすべての対象収入を申告するよう案内しています。国税庁

不要品販売と仕入れ販売は分けて考える

自宅で使っていた衣服、雑貨、家財など、生活に通常必要な動産を売った所得は、原則として非課税とされています。

国税庁タックスアンサーNo.1906でも、生活に使っていた古着や家財などの売却による所得は非課税で、確定申告は不要と説明されています。国税庁

一方、最初から利益を得る目的で商品を仕入れ、継続して販売する場合は、家庭の不要品整理と同じ扱いとは限りません。

何を、いつ、いくらで仕入れ、いくらで売り、どの経費がかかったかを残してください。所得区分は活動の規模や継続性などによって判断が変わるため、不明な場合は税務署や税理士へ確認するのが適切です。

所得税が不要でも、住民税の申告を確認する

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

さいたま市や横浜市などの公式案内では、給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になる旨が示されています。居住地や本人の状況によって手続が異なるため、住民票のある自治体の最新案内を確認してください。さいたま市公式サイト+1

副業分の記録として、次を保管します。

  • 取引日、売上日、入金日
  • 売上額と報酬額
  • 販売手数料、振込手数料
  • 仕入れ代、材料費
  • 送料、梱包費
  • 副業に使用した備品の記録
  • 契約書、請求書、領収書
  • プラットフォームの取引履歴
  • 取引先名と案件内容

副業用の銀行口座や決済手段を分けると、本業の生活費と混ざりにくくなります。

会計ソフトを使うかどうかより、取引が発生した週のうちに記録する習慣のほうが重要です。表計算ソフトでも帳簿でも、後から根拠をたどれる形にします。

そして、開始から90日程度を一つの区切りにして、継続を判断します。

  • 本業の品質や勤務に影響していないか
  • 睡眠や休日を削りすぎていないか
  • 利益と総時間を把握できているか
  • 2件目、3件目で作業が速くなったか
  • 条件や単価を改善できる見込みがあるか
  • 家族や生活への負担を許容できるか
  • 続ける理由を自分の言葉で説明できるか

売上が出なかったから、すぐ不向きとは限りません。

一方で、「ここまで時間を使ったから」という理由だけで、需要のない方法を続ける必要もありません。記録を基に、継続、改善、変更、撤退のいずれかを選びます。


私見:40代の副業は「撤退の可逆性」で選ぶ

ここからは、物販で在庫を抱えた経験を踏まえた私見です。

私は副業候補を見るとき、収益性より先に「元の生活へ戻りやすいか」を確認します。これを便宜上、撤退の可逆性と呼んでいます。

可逆性が高い副業は、合わなかったときに費用や負担を止めやすい仕事です。

たとえば自宅の不要品を1点売る、単発案件を1件受ける、現在持っている機材でサービスを試す方法は、追加投資を止めれば一区切りつけやすいでしょう。

可逆性が低い副業は、始める前に慎重な確認が必要です。

  • 大量の在庫を先に仕入れる
  • 長期の高額契約を結ぶ
  • 借入れで機材や教材を購入する
  • 固定費が毎月発生する
  • 解約条件が複雑なサービスを利用する
  • 本業の取引先と競合する仕事を受ける

収益性が高そうに見えても、撤退時に在庫、ローン、契約、信用問題が残るなら、初回のテストには向きません。

副業を選ぶ際は、次の4つを自分に問いかけます。

  • 今日やめたら、支払いはあといくら残るか
  • 売れない在庫や使わない機材は残るか
  • 作ったものや学んだことを別の仕事で使えるか
  • 本業と生活を元の状態へ戻すまで何日かかるか

この視点を入れると、同じ初期費用でも意味が変わります。

たとえば数千円の支出でも、結果を検証できず自動更新だけが続く契約は可逆性が低いといえます。反対に、仕事に必要な道具として本業でも使え、不要になれば売却できるものなら、回収できる可能性があります。

私は、過去の物販経験について、取引件数や損失額をこの記事の権威付けとして掲げることはしません。検証できない数字を示しても、読者の判断材料にはならないからです。

ここで共有できるのは、勢いで仕入れを先行させると、売上が立たない間も保管場所と資金が固定されるという、ごく地味な事実です。

売れ残った商品は、単なる物ではありません。

値下げするか、保管するか、別の販路へ移すかを考え続ける「未完了の仕事」でもあります。在庫が増えるほど、資金だけでなく注意力も取られます。

40代の副業では、若い人より慎重になるべきだと一律に言うつもりはありません。

ただ、本業、家庭、健康など守りたいものが複数ある人は、最大利益より損失の広がり方を限定する設計が合いやすいと考えています。

今後は、業務委託でも取引条件を記録に残すことが、これまで以上に重要になります。

フリーランス法の施行により、対象取引では条件明示などの枠組みが整えられました。副業をする側も、「法律があるから大丈夫」と受け身になるのではなく、業務内容、報酬、支払日、修正範囲を自分で読める力が必要です。日本取引所監視委員会+1

副業の入り口は以前より増えましたが、入口が広いことと、よい条件の仕事が簡単に見つかることは同じではありません。

今後も、短時間、高収入、スマートフォンだけといった分かりやすい言葉は注目を集めるでしょう。だからこそ、40代会社員には、目立つ数字より「誰が、何の仕事に、なぜお金を払うのか」を説明できる案件を選んでほしいと思います。

副業は、人生を一度で変える賭けではありません。

小さく試し、記録し、条件を直し、合わなければ戻る。そうした小さな実験として扱うほうが、結果的に続けるべき仕事を見つけやすくなります。


40代会社員の副業の始め方まとめ

40代会社員が副業を始める際は、次の順番で進めます。

1. 目的と行動目標を決める
2. 就業規則、届出、契約条件を確認する
3. 時間、初期費用、信用への影響に上限を設ける
4. 収入の仕組みから副業タイプを選ぶ
5. 借入れをせず、小さな仕事を1件試す
6. 手残り、総時間、負担、残る資産を記録する
7. 税金を準備し、90日後に継続か撤退かを判断する

副業の始め方で重要なのは、人気の仕事を当てることではありません。

自分の目的に合うか、会社の規則に反しないか、生活の余白で続けられるか、合わないときに戻れるかを確認することです。

最初から高額な道具、講座、大量の在庫を用意する必要はありません。

就業規則を読み、週に使える時間を書き出し、条件が明確な仕事を1件試す。その結果を数字と感覚の両方で記録すれば、次に進むかどうかを自分で判断できます。

本記事で確認した主な一次資料

  • 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」(2023年7月21日公表)総務省統計局+1
  • 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2018年1月策定、2020年9月・2022年7月改定)厚生労働省
  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」関連資料(2024年11月1日施行)日本取引所監視委員会+1
  • 国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」(2026年5月19日公表)国民生活センター
  • 国税庁タックスアンサーNo.1900、No.1906(令和7年4月1日現在法令等)国税庁+1

いずれも2026年8月6日に内容を確認しました。制度、税制、サービスの手数料や利用条件は変更される可能性があるため、実際に始める時点で最新の公式情報を再確認してください。


よくある質問

会社の就業規則に副業の記載がない場合は始めてもよいですか?

記載が見つからないだけで、自由に始めてよいとは判断できません。

雇用契約書、社内規程、服務規律も確認し、不明な場合は人事・総務へ、仕事内容、予定時間、競業の有無を整理して問い合わせてください。

副業所得が20万円以下なら、何も申告しなくてよいですか?

一律には言えません。

20万円基準には給与の受取先などによる条件があり、別の理由で確定申告をする場合は副業所得も含める必要があります。所得税の確定申告が不要でも住民税申告が必要になる場合があるため、税務署と居住自治体の案内を確認してください。国税庁+1

フリマアプリで不要品を売ったら副業収入になりますか?

家庭で使っていた古着や家財など、生活に通常必要な動産の売却による所得は、原則として非課税です。

ただし、利益を目的に商品を仕入れて継続販売する活動とは扱いが異なります。仕入れ販売を行う場合は、売上と経費を記録し、判断に迷うときは税務署や税理士へ確認してください。国税庁

地味な確認を省かないことが、結局いちばんの近道です。

執筆:黒田 慎一(堅実派のせどり・物販リサーチャー)

タイトルとURLをコピーしました