副業の確定申告はいつから必要?対象条件と準備の進め方

源泉徴収票、副業の収支表、スマートフォンの取引履歴を机の上で確認する会社員 未分類

会社員の副業確定申告は、原則として売上ではなく給与以外の所得が年間20万円を超えるかで確認します。

2025年分の通常の申告期限は2026年3月16日で終了しており、2026年に得た副業所得は原則として2027年に申告する流れです。

副業を始めた会社員が最初に迷いやすいのは、「売上がいくらなら申告が必要か」「フリマアプリの販売も対象か」「20万円以下なら何もしなくてよいのか」という点です。

結論として、勤務先で年末調整を受けた人でも、給与以外の所得が20万円を超える場合は、原則として所得税の確定申告が必要です。

ただし、20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあり、副業先から給与を受け取っている場合は、業務委託や物販とは別の確認が必要です。

申告時期の要点

申告対象となる所得の年通常の申告時期2026年8月26日時点の状況
2025年1月1日~12月31日2026年2月16日~3月16日通常期限は終了
2026年1月1日~12月31日原則として2027年2月16日~3月15日これから年間収支を記録する時期

申告期限を過ぎた2025年分でも、申告が必要だった場合は放置せず、早めに税務署や税理士へ相談してください。事情によっては延滞税や加算税が関わるため、自己判断で先延ばしにしないほうがよいでしょう。

会社員の副業確定申告で所得20万円とは?売上との違い

会社員の副業でよく聞く「20万円」は、販売サイトや銀行口座に入った金額そのものではありません。

年末調整を受けた給与所得者については、給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。

ここで見るのは、副業の収入から必要経費を差し引いた後の所得です。

  • 副業収入:販売代金、業務委託報酬、原稿料、広告収入など
  • 必要経費:仕入れ、販売手数料、送料、梱包材、業務に必要な消耗品など
  • 副業所得:副業収入-必要経費

たとえば、年間の販売売上が30万円で、仕入れ・送料・販売手数料などが13万円なら、副業所得は17万円です。

本業で年末調整を済ませており、ほかに申告が必要となる事情がなければ、所得税の確定申告が不要となる可能性があります。

反対に、年間売上が25万円でも、経費がほとんどかからなければ、所得は20万円を超えることがあります。

このため、売上額だけを見て「まだ20万円未満だから大丈夫」と考えるのは危険です。

制度の根拠は、国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」と「確定申告が必要な方」で確認できます。いずれも毎年の申告時期に内容や案内画面が更新されるため、申告前には最新年度の国税庁情報を確認してください。

なお、20万円基準だけで判断しにくい人もいます。

  • 本業で年末調整を受けていない人
  • 給与収入が2,000万円を超える人
  • 医療費控除、寄附金控除などのために確定申告を行う人
  • 副業先から給与を受け取っている人
  • 不動産所得、譲渡所得など、ほかに申告が必要な所得がある人

特に、医療費控除などで確定申告をする人は注意が必要です。確定申告書を提出するなら、副業所得が20万円以下であっても、その所得を申告書に含める必要があります。

20万円は「副業をした人全員に共通する免除額」ではなく、一定の給与所得者に関する所得税申告の例外ルールです。この位置づけを先に理解しておくと、情報を取り違えにくくなります。


2025年分と2026年分はいつ申告する?副業確定申告の時制整理

2026年は、2025年分の確定申告が終わった後であり、同時に2026年分の記録を積み上げる年でもあります。

この2つを混同すると、「今年の売上を今すぐ確定申告するのか」「期限を過ぎたのか」が分からなくなりがちです。

2025年1月1日から12月31日までに得た所得は、2026年に申告する対象でした。通常の申告期間は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです。

2026年8月26日現在、この通常期限は過ぎています。

一方、2026年1月1日から12月31日までに得た副業収入・経費は、原則として2027年に申告する対象です。通常の申告期間は、原則として2027年2月16日から3月15日までとなります。

ただし、申告期限や納付期限は土日祝日との関係で変わることがあります。実際の期限は、国税庁が公表する次年度の「確定申告特集」で確認してください。

筆者としては、申告シーズンに入ってから1年分を集計するより、今年の取引を今年のうちに整えることが、会社員の副業では最も現実的だと考えます。

物販なら仕入れ・販売・送料・返品、業務委託なら請求・入金・源泉徴収、給与副業なら源泉徴収票の受領状況を、その都度分けて残します。

年末に初めて確認すると、決済サービスの履歴、メール、レシート、銀行口座を何度も見直すことになり、経費の漏れや集計ミスが起こりやすくなります。

税金のためだけでなく、副業で本当に利益が残っているかを把握するためにも、月ごとの確認が役立ちます。


副業が給与・業務委託・物販で違う理由とは?

「副業所得」という独立した所得区分はありません。

副業で受け取ったお金は、働き方や取引の実態によって、給与所得、雑所得、事業所得などに分かれます。

受け取り方代表例最初に確認したい資料
給与所得アルバイト、パート、派遣、単発勤務源泉徴収票、給与明細
雑所得となることがある収入業務委託、原稿料、デザイン報酬、小規模な継続収入請求書、支払明細、入金履歴、経費資料
事業所得となる可能性がある収入継続性・独立性を持つ販売や受託事業帳簿、取引記録、事業実態を示す資料
生活用動産の売却家庭で使っていた衣類、家具などの処分購入目的、使用状況、売却内容

給与副業は「20万円以下」だけで終わらせない

副業先でアルバイトやパートとして働き、給与明細や源泉徴収票が出る場合、その収入は給与所得です。

本業と副業の給与を受け取る人は、従たる給与について年末調整が行われないことがあり、給与収入額などに応じて確定申告が必要になります。

この場合、販売や業務委託の「給与以外の所得20万円以下なら申告不要」という説明を、そのまま当てはめることはできません。

副業で給与を受け取っている人が確認すべきなのは、まず源泉徴収票を受け取ったか、本業以外の給与の金額はいくらか、本業の年末調整に含まれているかです。

給与副業では、経費のレシートより先に、源泉徴収票をそろえることが入口になります。ここは物販や業務委託と大きく違う点です。

業務委託は入金額と請求額を照合する

ライター、デザイナー、動画編集、配達などの業務委託では、報酬が雑所得になることがあります。

報酬から所得税が源泉徴収されているケースもあるため、通帳の入金額だけを収入と考えず、請求額、支払明細、源泉徴収額を照合することが大切です。

たとえば、請求書上の報酬が10万円で、源泉徴収後の入金が約9万円台だった場合、収入・源泉徴収税額・必要経費を別々に整理します。

ここで起こりやすい帳簿上のミスは、手取りの入金額だけを売上として記録し、源泉徴収された税額を見落とすことです。

源泉徴収された税額は、申告時に適切に入力できれば、全体の税額計算に反映されます。収入が小さいからと記録を省くと、還付の可能性まで確認できなくなります。

物販は売上より在庫と返品を含めて見る

せどりやネット物販では、販売代金から仕入れ・販売手数料・送料・梱包費を差し引いて所得を計算します。

ただし、物販では入金額だけを見ても、資金の実態が分かりません。

仕入れをしたがまだ売れていない商品、購入者に返金した商品、値下げやキャンセルになった取引があるためです。

私が物販の収支を確認するときに重視するのは、月末に「売れた商品の利益」と「まだ売れていない在庫に使った資金」を混ぜないことです。

在庫に支出したお金は、口座残高を減らします。しかし、販売に至っていない段階では、売上の好調さと手元資金の余裕は別の話です。

この視点は、税務の集計だけでなく、次の仕入れを増やしてよいかを判断するうえでも役立ちます。

※画像はAIによるイメージ

不用品販売とせどりは同じではない|仕入れ目的で考える

フリマアプリで商品を売ったからといって、すべてが副業所得になるわけではありません。

通常の生活で使っていた衣類、家具、生活雑貨などを売却した場合、その所得は原則として課税されない生活用動産の譲渡として扱われます。

着なくなった服を処分したり、引っ越しで使わなくなった家具を売ったりする行為は、通常、利益を得る目的で継続的に販売するせどりとは異なります。

一方、次のような場合は、不用品処分とは区別して考える必要があります。

  • 利益を見込んで商品を仕入れている
  • リサイクル店、卸売先、オンライン市場などから継続して仕入れている
  • 在庫管理、値付け、発送を反復している
  • 自分で使う目的ではなく、販売目的で保有している
  • 新品・中古品を問わず、継続して販売活動を行っている

税務上の判断では、販売した場所よりも、その商品をどのような目的で保有していたかが重要です。

同じフリマアプリでも、自宅にあった衣類を売るのと、転売目的で仕入れた商品を販売するのとでは、性質が異なります。

国税庁の「譲渡所得」の案内では、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は原則として非課税とされています。

ただし、貴金属、宝石、美術品などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものには例外があります。高額品を売却する場合は、不用品販売の一般論だけで判断せず、国税庁の譲渡所得に関する資料を確認してください。

また、中古品を仕入れて販売する活動では、税金とは別に古物営業法の確認が必要になる場合があります。

物販を始める際は、確定申告だけでなく、仕入先の利用規約、販売プラットフォームの規約、商品の安全性、返品対応も確認する必要があります。

税金の記録だけ整っていても、販売の土台が曖昧なら継続しにくくなります。派手な売上より、取引の根拠を残してルールを確認することが、長く続けるための下準備になります。


会社員が申告前に確認する副業チェックリスト

副業の申告要否は、年末に20万円を見て初めて判断するものではありません。

給与副業、業務委託、物販のどれであっても、確認の順番を決めておくと、判断がかなり整理しやすくなります。

  • 副業の受け取り方を分ける

給与、業務委託報酬、販売代金、不用品売却を混ぜずに整理します。

  • 年間の収入を集計する

源泉徴収票、請求書、販売履歴、決済サービス、銀行口座を照合します。

  • 経費の根拠を残す

仕入れ、送料、販売手数料、梱包材、業務に直接必要な支出を確認します。

  • 所得を計算する

給与以外の収入から必要経費を引き、20万円基準の対象となる所得を把握します。

  • 源泉徴収の有無を確認する

業務委託報酬などで税金が差し引かれている場合は、支払明細を保管します。

  • 住民税の扱いを自治体に確認する

所得税の確定申告が不要でも、住民税申告が必要な場合があります。

  • 申告する場合は国税庁の作成コーナーで全体を試算する

給与、控除、副業所得、源泉徴収税額を合わせて確認します。

住民税については、所得税の「20万円以下なら確定申告不要」という扱いと同じではありません。

年末調整済みの会社員で、給与以外の所得が20万円以下の場合でも、住民税の申告が必要となることがあります。

確認先は、税務署ではなく、その年の1月1日に住んでいた市区町村の住民税担当窓口です。

自治体ごとに申告書、期限、電子申請の可否、申告不要となる条件の案内が異なります。お住まいの自治体の公式サイトで「住民税申告」「給与以外の所得」などの案内を確認してください。

ここは見落とされやすい部分ですが、所得税だけで副業の手続きを終えたつもりにならないことが大切です。


副業の記録は何を残す?電子取引データにも注意

副業を始めた時点で、直ちに確定申告が必要になるとは限りません。

それでも、最初の取引から記録を残すほうが、後から集計するより負担を小さくできます。

物販・せどりや業務委託なら、少なくとも次の資料を月別に整理しておくとよいでしょう。

  • 販売日、商品名または業務内容、販売先、収入額
  • 仕入日、仕入先、仕入額
  • 販売手数料、振込手数料、送料、梱包材
  • 返品、返金、キャンセル、値引きの内容
  • 銀行口座や決済サービスの入出金履歴
  • 請求書、領収書、レシート、支払明細
  • 販売プラットフォームの取引履歴
  • 源泉徴収に関する資料、源泉徴収票

私用と副業用が混ざるスマートフォン料金、通信費、自宅の一部に関する費用などは、副業で使った割合を合理的に分けて考える必要があります。

「支払ったお金ならすべて経費」とは考えないほうがよいでしょう。

後から見返して、何に使った費用か、どの副業収入と関係するかを説明できる状態にしておくことが重要です。

また、ネットショップ、フリマアプリ、メール、クラウドサービスで受け取る請求書・領収書・取引明細は、電子帳簿保存法上の電子取引データに該当することがあります。

保存方法には要件があるため、メールを受け取ったままにする、アプリの画面で見られる状態にするだけで十分かは、取引内容や保存方法によって異なります。

国税庁の「電子帳簿保存法一問一答」および「電子取引データ保存」に関する案内を確認し、販売プラットフォームからダウンロードできる取引明細は、早めに保存しておくのが無難です。

※画像はAIによるイメージ

申告はどう進める?国税庁の一次情報で確認したいポイント

確定申告を行う場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと、画面の案内に沿って申告書を作成できます。

提出方法には、e-Tax、郵送、税務署への持参があります。利用できる認証方法、必要な端末、対応する申告内容は変わることがあるため、e-Taxの利用方法は国税庁の公式案内を基準に確認してください。

副業の種類ごとに確認先を分けると、情報の精度が上がります。

  • 所得20万円基準・給与副業:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
  • 申告書の作成・提出方法:国税庁「確定申告書等作成コーナー」「e-Tax」
  • 事業所得・雑所得の考え方:国税庁の所得区分に関する案内、所得税基本通達
  • 不用品販売・高額品の売却:国税庁「譲渡所得」
  • 電子明細などの保存:国税庁「電子帳簿保存法一問一答」「電子取引データ保存」
  • 住民税の申告:居住地の市区町村の公式案内

申告義務があるのか、還付を受けられるのか、住民税で何をすべきかは、給与額、所得控除、源泉徴収、家族構成、ほかの所得などで変わります。

そのため、一般的な記事で判断を完結させるより、国税庁の作成コーナーに全体を入力して試算し、分からない部分は税務署や税理士へ確認する姿勢が堅実です。


考察|20万円より先に「根拠のある収支」を作る

副業の税金では、20万円という数字が強く印象に残ります。

しかし、会社員にとって実務上の難しさは、20万円を超えたかどうかの計算そのものより、収入の種類と記録の根拠を整理するところにあると私は考えます。

給与副業なら源泉徴収票、業務委託なら請求額・入金額・源泉徴収額、物販なら仕入れ・在庫・返品まで、見るべき資料が違います。

すべてを「副業の売上」と一つの箱に入れると、申告時に整理が崩れやすくなります。

特に物販では、売上が増えるほど仕入れや在庫に資金が固定されることがあります。

一方、業務委託では在庫を抱える心配が少ない代わりに、未入金、源泉徴収、請求漏れを見落としやすい面があります。

給与副業では、源泉徴収票を受け取るという比較的明確な書類がありますが、複数の勤務先の給与をどう扱うかで判断を誤りやすいでしょう。

同じ「副業」でも、失敗しやすい場所はそれぞれ違います。

だからこそ、申告対策を単なる年1回の作業にせず、月1回の収支確認として習慣化する意味があります。

個人的には、次の3点がそろっていれば、税務上の確認も副業の見直しも進めやすくなると考えます。

  • 収入の発生額と実際の入金額を照合できる
  • 経費の内容と副業との関係を説明できる
  • 副業の種類ごとに資料を分けて保管できる

この3点は地味ですが、過大な仕入れ、赤字の見落とし、申告直前の集計漏れを防ぐ土台になります。

副業の情報には、売上や利益の大きさだけを強調するものもあります。しかし、会社員が無理なく続けるなら、手元資金、記録の手間、申告時の説明可能性まで含めて考えるほうが現実的です。

「20万円を超えないようにする」ことを目的にするより、「自分の取引を説明できる状態にする」ことを先に目指す。そのほうが、税務上の判断にも、副業を続ける判断にも役立つはずです。


まとめ

会社員の副業確定申告では、年末調整済みの人について、給与以外の所得が年間20万円を超えるかが重要な基準です。

ただし、20万円は売上ではなく、収入から必要経費を引いた後の所得で判断します。

2025年分の通常申告期限は2026年3月16日に終了しており、2026年に得た所得は原則として2027年に申告します。

給与副業は源泉徴収票、業務委託は請求額と源泉徴収額、物販は仕入れ・在庫・返品を分けて記録してください。

所得税の確定申告が不要でも住民税申告が必要になることがあるため、市区町村の公式案内も確認することが大切です。


よくある質問

副業の売上が20万円以下なら、確定申告は不要ですか?

判断基準は売上ではなく、必要経費を引いた後の所得です。年末調整済みの会社員で給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要となる場合があります。ただし、住民税の申告が必要な場合や、ほかの理由で確定申告をする場合があります。

2026年の副業収入は、いつ確定申告しますか?

2026年1月1日から12月31日までの所得は、原則として2027年に申告します。通常の申告期間は原則として2027年2月16日から3月15日ですが、実際の期限は国税庁の最新案内で確認してください。

フリマアプリで家の不用品を売った利益も申告が必要ですか?

通常の生活で使っていた衣類や家具などの売却は、原則として課税されず、確定申告も不要です。ただし、利益目的で仕入れて継続的に販売している場合は、不用品処分とは別に副業収入として検討する必要があります。

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