教員の副業アフィリエイトは、公立の常勤なら原則制限・許可制であり、無許可の収益化は懲戒処分の対象になり得ます。根拠は地方公務員法38条で、任命権者(教育委員会)の許可があれば道は残されています。
ただし「教員は一律禁止」ではありません。私立学校は就業規則次第で、公立の非常勤も任用形態によって扱いが分かれます。
この記事では、教員の副業アフィリエイトと公務員規定の関係を、根拠となる法律の条文、許可申請の具体的な流れ、そして実際に報道された処分事例まで、順を追って整理します。
こんにちは、黒田慎一です。物販・せどりのリサーチをしている立場から、副業まわりの「本当のところ」を調べて共有しています。
私自身、勢いで動いて在庫を抱えた失敗があります。だからこの記事でも「できる・できない」の結論だけでなく、何を根拠に、どの順番で確認すべきかを丁寧に見ていきます。
なお、私は教員でも法律の専門家でもありません。ここで整理する内容は法令の条文や人事院の公表資料、報道された事例など、確認できる情報に基づく一般的な解説です。最終判断は必ずご自身の自治体・勤務先で確認してください。
教員の副業アフィリエイトは可能?結論は「立場によって異なる」
まず結論からお伝えします。教員がアフィリエイトで収益を得られるかどうかは、勤務先が公立か私立か、そしてどんな任用形態かで大きく変わります。
整理すると次のとおりです。
| 勤務先・立場 | アフィリエイト副業の可否 |
|—|—|
| 公立・常勤(正規、フルタイムの会計年度任用職員含む) | 原則制限。教育委員会の許可があれば可能 |
| 公立・パートタイムの会計年度任用職員(非常勤講師など) | 地方公務員法38条の営利従事制限は適用対象外。ただし届出等の運用は自治体による |
| 私立・常勤・非常勤 | 学校法人の就業規則による |
ここで注意したいのが、2020年4月に始まった会計年度任用職員制度です。
制度開始前は「非常勤なら副業制限の対象外」と単純に言えましたが、現在はフルタイムの会計年度任用職員には営利従事制限が適用され、パートタイムには適用されないという整理になっています。「非常勤だから大丈夫」と昔の情報のまま動くのは危険です。
つまり「教員は副業アフィリエイト禁止」と一括りにするのは正確ではありません。公立の常勤教員であっても、法律上は「許可を得れば可能」という建て付けです。
逆に言えば、無許可での収益化は原則アウトということでもあります。この「原則制限・許可制」という二段構えの構造を理解しておくことが、すべての出発点になります。
なぜ原則禁止?根拠となる公務員規定(地方公務員法38条)とは
公立学校の常勤教員は地方公務員であり、副業については主に次の法律が関わります。
- 地方公務員法38条(営利企業への従事等の制限)
- 教育公務員特例法17条(兼職・他の事業等への従事の特例)
- 国家公務員の場合は国家公務員法103条・104条
地方公務員法38条では、任命権者の許可なく、営利企業を営むことや報酬を得て事業・事務に従事することが制限されています。アフィリエイトは広告収益を得る営利活動なので、継続的に行えばここに該当すると考えられます。
一方、教育公務員特例法17条には特例があります。教育に関する他の職や事業への従事は、本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合には可能、と定められています。
要するに「基本はダメ。ただし任命権者(教育委員会)が認めればOK」という仕組みです。
さらに、副業の可否とは別に、公務員には信用失墜行為の禁止・守秘義務・職務専念義務も課されています。仮に許可を得て収益化できたとしても、児童生徒の個人情報に触れる記事を書いたり、勤務時間中に更新作業をしたりすれば、これらの義務に違反し得ます。
私の見方をひとつ添えると、この規定は「教員を縛るためのルール」というより、教育という公的な仕事への信頼を守るための仕組みと捉えたほうが実態に合っていると感じます。だからこそ、抜け道を探すより正面から手続きするほうが、結局は近道です。
収益化しないブログならOK?人事院資料の考え方
多くの方が気になるのが「広告を貼らないブログ運営自体はどうなのか」という点でしょう。
結論として、広告収益を得ない情報発信であれば、基本的に副業(兼業)には該当しないと考えられています。
参考になるのが、人事院が国家公務員向けに公表している「義務違反防止ハンドブック」のQ&Aです。そこでは、ブログや動画投稿で広告収入を得ることについて、収入があること自体で直ちに兼業になるわけではないとしつつ、営利目的の有無や投稿の継続性・反復性、収入の規模によっては承認・許可が必要な兼業に該当し得る、という趣旨が示されています。
これは国家公務員向けの見解ですが、地方公務員である公立教員の判断でも参考にされる考え方です。線引きを整理するとこうなります。
- 広告を貼らず発信するだけ → 基本的に問題なしと考えられる
- 広告を貼って収益を得る → 営利活動となり、原則許可が必要
- 収益が小さくても、継続性・規模によっては兼業と判断され得る
「少額だから大丈夫だろう」という自己判断は危険です。金額の大小ではなく、営利性と継続性で見られる点は押さえておきたいところです。

教員がアフィリエイトの許可を得るには?申請の流れと通りやすいテーマ
公立の常勤教員が収益化を目指す正規ルートは、営利企業等従事許可申請です。一般的な流れは次のとおりです。
- 事前に自治体の規定・服務規程を確認する
- 営利企業等従事許可申請書に活動内容を記入する
- 所属校の校長に提出する
- 校長から教育委員会へ提出される
- 教育委員会が許可・不許可を判断する
ポイントは、申請自体は誰でもできる一方で、許可が下りるかどうかは教育委員会の判断次第という点です。
許可を得やすいとされるのは、教育公務員特例法の特例と親和性が高い、教育に関連するテーマです。たとえば学習教材や授業アイデア、学級運営のノウハウ、教員の働き方や時間管理術、スキルアップ・資格取得といった分野です。
実際、教育関連書籍の執筆は教員の兼業として認められてきた実績のある分野ですし、講演活動なども「信用を傷つけない」「守秘義務を守る」「本業に支障がない」という条件を満たせば認められる余地があります。
一方で、判断するのは各自治体の教育委員会なので、同じ内容でもA市では通り、B市では通らないということが起こり得ます。申請前に校長とよく話し、活動内容を理解してもらっておくことも実務上は重要です。
リサーチャーとしての実感を言えば、この手順は物販で言う「仕入れ前の相場確認」に相当します。面倒に見えて、ここを省くと後で一番高くつく部分です。
無許可の副業アフィリエイトは住民税でバレる?実際の処分事例
「ネットで匿名だからバレないのでは」と考える方もいますが、発覚経路は現実に複数あります。
代表的なのが住民税です。教員の住民税は給与から天引きされる特別徴収が基本で、副業所得があると住民税額が本業分と合算されて勤務先に通知されます。金額の違和感から発覚するケースがあるわけです。
このほか、実名や勤務先が推測できる発信、同僚や知人からの噂、そして匿名の通報も現実的な経路です。
ここで、実際に報道された処分事例を見てみましょう。教員のアフィリエイトそのものが処分された報道は調べた範囲では見つかりませんでしたが、教員と同じ地方公務員法38条が適用される公務員では、ネットの広告収入で処分された事例が複数あります。
2022年1月には、和歌山市消防局の男性消防士長(33歳)が、YouTubeにゲーム実況動画314本を投稿して約115万円の広告収入を得ていたとして、減給10分の1(1か月)の懲戒処分を受けました。市は地方公務員法の「営利企業への従事等の制限」に抵触すると判断しています。
このケースで注目すべきは発覚の経緯です。市に「ユーチューブで副業をしている消防士がいるのでは」との通報が寄せられ、動画内の声から本人が特定されました。顔を出していなくても、声や内容から身元が割れた実例です。
ほかにも、2021年9月には京都府宇治市の職員が趣味の動画配信で約26万円の収入を得ていたとして減給10分の1(1か月)の処分を受け、こちらも匿名の通報がきっかけでした。2020年11月には陸上自衛隊宮古島駐屯地の3等陸曹が、ゲーム実況で約108万円の広告収入を得て停職4日の処分を受けています。
処分の目安としては、人事院の「懲戒処分の指針について」で、承認や許可の手続きを怠って兼業を行った職員は減給または戒告が標準とされ、事案の内容によってはそれ以外の処分もあり得るとされています。信用失墜行為や勤務時間中の作業が重なれば、より重い判断になる可能性もあります。
なお「収益の振込先を家族名義にすればいい」という発想も見かけますが、これも要注意です。家族が実際に運営していて本人は無報酬で手伝う程度なら問題ないとされる一方、名義だけ借りて実態は本人が運営している場合は、発覚すれば処分される可能性が高いと考えられています。実際、先ほどの和歌山市の事例では収益の振込先が家族名義だったと報じられており、名義を変えても処分は避けられませんでした。
筆者としては、この名義貸しは「うまい話」の典型に見えます。26万円や115万円の収益と、処分・家族への迷惑・職場の信頼を天秤にかければ、明らかに割に合わないというのが率直な感想です。
許可なしでもできることと税金の基本ルール
アフィリエイト以外に目を向けると、教員でも許可不要、または認められやすい活動もあります。ごく簡単に整理します。
- 株式投資などの資産運用:一般に兼業には当たらないとされる(勤務中の売買は職務専念義務違反になり得る)
- 小規模な家業の手伝い・農業:無報酬や自家消費目的の小規模なものは兼業に当たらないとされる
- 小規模な不動産賃貸:一定規模未満(いわゆる5棟10室未満など)なら承認されやすいとされるが手続きは必要
こうして並べると、アフィリエイトは営利性が明確で継続的な作業を伴うため、資産運用などと比べて兼業と判断されやすい活動だと分かります。
また、収益化できた場合の税務として、給与所得者は副業所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別途必要とされ、アフィリエイト報酬は一般に雑所得に当たります。

収益化できない期間でもブログを育てる価値はあるのか
現役の公立教員には「今すぐ収益化は難しいが、ブログ自体は書きたい」という方も多いはずです。
実際、現役中は広告を貼らずにアクセスと記事を育てておき、退職や転職の後に収益化する方針を取っている、という発信も見られます。
ここに、公立教員がアフィリエイトと付き合う現実的な形が見えます。すなわち、現役中は収益化せずにサイトの評価と読者を育てておき、収益化できるタイミング(教育委員会の許可を得たとき、退職・転職したときなど)に備える戦略です。
ブログは記事が資産として積み上がる仕組みなので、収益ゼロの期間も無駄になりません。授業実践や教材アイデアといった教員ならではの経験は、他の職業では書けない価値ある情報でもあります。
私はこれを勝手に「種まき型の副業設計」と呼んでいます。物販のように仕入れ資金が寝るわけではないので、収益化を焦らないこと自体がリスク管理になる。在庫を抱えて痛い目を見た私から見ると、むしろ教員に向いた進め方だと感じます。
考察:教員の副業アフィリエイトは「許可制」を逆手に取る発想で
ここからは、副業リサーチャーとしての私見です。
まず、教員の副業アフィリエイトは「禁止か解禁か」の二択で語られがちですが、実態はグラデーションです。パートタイムの会計年度任用職員なら制限対象外、私立なら就業規則次第、公立常勤でも許可があれば可能。この構造を知らずに「教員だから無理」と諦めるのも、「バレなければいい」と突っ走るのも、どちらももったいないと考えます。
リスクとリターンの非対称性をどう見るか
無許可運営について、事例が教えてくれることは明確です。宇治市の事例は約26万円で減給、和歌山市の事例は約115万円で減給と、収益の規模にかかわらず処分は現実に下されています。しかも発覚のきっかけは、住民税のような制度的な経路だけでなく、たった一本の匿名通報でした。
アフィリエイトの収益は、最初の1〜2年は月数千円に届かないことも珍しくありません。その規模の収益のために処分リスクを負うのは、投資判断として明らかに分が悪い。私が物販で痛感したのは、小さな利益のために大きなリスクを取らないことの大切さでした。教員の副業も、構造はまったく同じだと感じます。
一方で、追い風もあります。厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を示すなど、社会全体は副業容認の方向に動いています。教育関連テーマなら許可の相談がしやすい土壌もあり、正面から申請するハードルは、思われているほど高くない可能性があります。
今後の見通しとしては、教員の働き方改革の議論とあわせて、兼業許可の運用が自治体ごとに少しずつ明確化されていくのではないかと個人的には見ています。ただし自治体差が大きい以上、最終的な基準は「自分の自治体の教育委員会がどう判断するか」に尽きます。一般論で動かず、自分のケースで確認する。地味ですが、これが一番の近道だと考えます。
まとめ:教員の副業アフィリエイトは規定の確認と許可申請が出発点
教員の副業アフィリエイトは、公立の常勤なら原則制限・許可制、パートタイムの会計年度任用職員なら制限対象外、私立なら就業規則次第という整理になります。
根拠は地方公務員法38条と教育公務員特例法17条で、許可を得るには営利企業等従事許可申請書を校長経由で教育委員会に提出します。無許可の収益化は住民税や匿名通報から発覚し得て、実際に減給等の処分を受けた公務員の事例が複数報道されています。
現役中に収益化が難しくても、ブログを育てておけば許可取得後や退職後に活かせます。焦らず、まず自分の立場と自治体のルールを確認するところから始めてみてください。
よくある質問
教員が広告を貼らずにブログを書くだけなら問題ない?
基本的に問題ないと考えられます。人事院の「義務違反防止ハンドブック」のQ&Aでも、収入を得ない発信自体が直ちに兼業に当たるとはされていません。ただし守秘義務や信用失墜行為の禁止は常に適用されるため、児童生徒の情報や学校の内部情報は書かないよう注意が必要です。
非常勤講師(会計年度任用職員)ならアフィリエイトをしてもいい?
パートタイムの会計年度任用職員であれば、地方公務員法38条の営利従事制限は適用されません。ただしフルタイムの会計年度任用職員は制限の対象で、パートタイムでも届出などの運用を定める自治体があります。任用形態と自治体の規定を必ず確認してください。
収益の振込先を家族名義にすれば大丈夫?
おすすめできません。家族が実際に運営している場合は別ですが、名義だけ借りて実態は本人が運営しているケースは、発覚すれば処分され得ます。実際に振込先が家族名義でも処分された公務員の事例が報道されており、正規の許可申請を検討するほうが安全です。

