失業保険の受給中に副業アフィリエイトをしても大丈夫?

自宅のデスクでノートパソコンを開き、失業認定申告書と電卓を前に落ち着いて確認作業をする40代男性 未分類

失業保険(雇用保険の基本手当)の受給中でも、副業アフィリエイトは1日4時間未満・週20時間未満の範囲に収め、収入ゼロの作業日も申告すれば可能です。

この記事では、待期期間・給付制限・失業認定申告書の書き方・減額の計算式・不正受給の罰則までを、厚生労働省の「雇用保険受給資格者のしおり」や雇用保険法といった公的な根拠に沿って整理します。

こんにちは、黒田慎一です。物販やせどりのリサーチをしている関係で、「会社員が本業以外の収入を持ったとき、制度上どう扱われるか」は私にとって切実なテーマで、退職後の収入まわりの制度もセットで調べ続けています。

先に申し上げておくと、私は社会保険労務士ではありませんし、この記事は個別のケースの正しさを保証するものではありません。最終的な判断は、必ずご自身の管轄のハローワークで確認してください。

その前提で、「調べてから動く」ための材料を、できるだけ丁寧に並べていきます。

失業保険の受給中に副業アフィリエイトはできる?まず結論

結論から言うと、失業保険を受給しながらのアフィリエイトやブログ運営は、制度上「できない」わけではありません。

雇用保険法第4条では、失業とは「労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態」と定義されています。裏を返せば、再就職の意思と求職活動を続けている限り、条件内の副業がただちに受給資格を奪うわけではない、という建て付けです。

ただし、前提は大きく3つあります。

  • 待期期間(7日間)はいかなる労働・副業もしないこと
  • 1日4時間未満・週20時間未満の「内職・手伝い」の範囲に収めること
  • 収入がなくても、作業した日は失業認定申告書で申告すること

つまり「やっていい」と「黙っていていい」はまったく別の話です。この線引きを中心に見ていきます。


待期期間7日間とは?副業を始めていいのはいつから

失業保険の手続きでは、離職理由に関係なく、全員に共通して待期期間があります。

待期期間は、ハローワークに離職票を提出して受給の申請手続きをした日から7日間です。厚生労働省の「雇用保険受給資格者のしおり」でも、この期間は失業状態の確認にあてられると説明されています。

この7日間に働くと失業状態と認められず、待期が完成しない=受給開始が遅れるおそれがあります。アルバイトだけでなく、ブログの記事執筆などの副業作業も同様と考えておくのが無難です。

悩ましいのは、アフィリエイトのように「過去の作業による収入が、待期期間中にたまたま発生する」ケースです。

申請前の作業による収入なら大きな問題になりにくいとする体験談もありますが、扱いは窓口で差が出うる部分です。言われる前に自分から相談しておくのが最も安全な進め方だと考えます。

なお、自己都合退職の場合は待期のあとに給付制限期間があります。従来は原則2ヶ月でしたが、2024年に成立した改正雇用保険法により、2025年4月からは原則1ヶ月に短縮されました(5年以内に離職を繰り返した場合などは3ヶ月)。

給付制限中も条件内の副業は認められますが、基準を超えると話が変わります。次で詳しく見ていきます。

※画像はAIによるイメージ

失業保険の内職扱いの条件「1日4時間未満・週20時間未満」とは

失業保険を受けながら働く場合、失業認定申告書上の働き方は「就労」「内職又は手伝い」に分けられます。アフィリエイト作業もこの枠組みで判断されます。

| 区分 | 目安 | 失業保険への影響 |
| — | — | — |
| 内職又は手伝い | 1日4時間未満 | 収入額により全額支給・減額・不支給が分かれる |
| 就労 | 1日4時間以上 | その日は不支給だが後に繰り越し(受給期間内・原則1年) |
| 就職扱い | 週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み | 失業状態と認められず、以後の手当が受けられない |

「週20時間以上・31日以上の雇用見込み」は、雇用保険の被保険者となる基準(雇用保険法第6条の適用除外の裏返し)です。この水準に達すると「就職した」扱いになり、受給は続けられません。

一方、「1日4時間」は法律の条文に明記された数字ではなく、失業認定の運用上の基準です。「4時間ぴったり」は4時間以上(就労)として扱われるという解説もあり、細部は各ハローワークの判断に委ねられている部分があるのが実情です。

もう一つ、アフィリエイトで見落とされがちなのが開業届です。税務上有利だからと開業届を出すと、「自営業を開始した=失業状態ではない」とみなされ、受給できなくなる可能性があります。届出のタイミングは、必ず事前にハローワークへ相談してください。

曖昧に感じるかもしれませんが、裏を返せば「自分の管轄に聞くのが唯一の正確な確認方法」ということです。ネットの情報は目安、最終確認は窓口。遠回りに見えて、これが一番確実です。


収入ゼロでも申告が必要?失業認定申告書の書き方

ここが、アフィリエイトをしている人にとって一番の落とし穴です。

失業保険は、4週間に一度の失業認定日に「失業状態であること」「求職活動を行っていること」を申告して初めて支給されます。このとき提出するのが失業認定申告書です。

重要なのは、収益が1円も発生していなくても、収益化目的でブログ作業をした日は「働いた日」として申告が必要とされている点です。記事の執筆だけでなく、リライトや修正の時間も作業に含まれるという解説もあります。

しおりの記入例に沿うと、書き方はおおむね次のとおりです。

  • 1日4時間以上働いた日は「〇」(その日の手当は繰り越し)
  • 1日4時間未満の作業日は「×」(収入がなくても×をつける
  • 収入があった場合は「収入のあった日・金額・何日分の収入か」を記入

アフィリエイトは「いつの作業がどの収入につながったか」が分かりにくい収入です。実際に申告した方の例では、「収入額が確定した時点で、その月の作業日数で割って1日あたりの収入を出す」といった運用が紹介されています。

ただし、収入を「入金日」で見るか「成果発生日」で見るかは、ハローワークによって解釈が異なる可能性があります。ここでも結論は同じで、自分の管轄への確認が一番確実です。

一点、はっきり書いておきます。「入金を受給終了後まで先延ばしすれば申告しなくてよい」という情報も見かけますが、入金時期を操作しても「作業した日」の申告義務は消えません

申告すべきものを意図的に伏せれば不正受給と判断されるおそれがあります。時期の調整でどうにかしようとせず、迷ったら判断ごと窓口に相談してください。


アフィリエイト収入で失業保険は減額される?計算の仕組み

1日4時間未満の「内職又は手伝い」は、収入額によって手当が減額されることがあります。根拠は雇用保険法第19条で、判定式を1行にするとこうなります。

賃金日額の80% ≧(1日あたりの収入 − 控除額)+ 基本手当日額 → 全額支給

この「80%」という割合自体が第19条に定められた基準です。超えた場合は超えた分だけ基本手当日額から差し引かれ、差し引く額が基本手当日額以上になるとその日は不支給(繰り越し扱い)です。

用語も押さえておきます。

  • 基本手当日額:1日あたりの失業手当の額。離職前の賃金と年齢に応じて決まり、上限・下限があります(自分の額は雇用保険受給資格者証で確認できます)
  • 賃金日額:離職前6ヶ月の給料の合計÷180
  • 控除額:全員一律の控除で、本記事執筆時点の解説では1,357円(毎年8月に改定される可能性があるため、最新額は厚生労働省の資料で要確認)

私自身の感覚をつかむために、「もし自分が受給しながら物販ブログを月に数記事だけ更新したら」という想定で試算してみます(基本手当日額6,000円・賃金日額の80%が8,000円と仮定)。

  • 1日あたり3,000円の場合:3,000−1,357+6,000=7,643円 → 8,000円以内で全額支給
  • 1日あたり5,000円の場合:5,000−1,357+6,000=9,643円 → 1,643円超過 → その日の支給は4,357円に減額

試算して分かったのは、収入が微妙なラインなら4時間以上働いて「繰り越し」にする方が失敗が少ない場合があることです。減額は文字どおり減るのに対し、繰り越しは受給期間内なら後日受け取れるからです。

金額はあくまで仮定の試算です。控除額や日額は改定されるため、具体的な数字は必ずハローワークや厚生労働省の最新資料で確認してください

※画像はAIによるイメージ

申告しない・偽るとどうなる?不正受給の重い罰則

「少額だから黙っていてもバレないだろう」は、非常に危険です。

失業認定申告書に偽りの記入をした場合、不正受給として次の処分が定められています(雇用保険法第10条の4等)。

  • 支給停止:以後の基本手当が受けられなくなる
  • 返還命令:不正に受給した額の全額返還
  • 納付命令:不正受給額の2倍以下にあたる額の納付

返還と納付を合わせると、最大で受け取った額の3倍を支払うことになりかねない、いわゆる「3倍返し」です。数千円のアフィリエイト収入を隠す代償としては大きすぎます。

私は物販で「確認を省いた結果、在庫を抱えて大きく損をした」経験があります。だから実感を持って言えるのですが、面倒な申告こそ、いちばん割のいい保険です。


失業保険とアフィリエイト収入、ハローワークで判断が違う実例も

先に結論を言うと、この章の教訓は「実例があっても一般化せず、自分のケースは自分の窓口で確認する」の一点です。

参考になる実例があります。これは2024年12月に新聞社を退職した方が、ご自身の個人ブログで公開している体験談で、報道や公式発表ではない点はあらかじめお断りしておきます。

その方が以前から運営していたブログの広告収入について正直にハローワークへ相談したところ、「アフィリエイト収入は不労所得とみなす」=働いて得た収入ではない、という回答を受けたそうです。ただし職員は「企業や個人から原稿料をもらって仕事をする場合はきちんと申告してください」と続けています。

一方で、「収益化目的の作業はすべて申告対象」とする解説も広く見られます。この食い違いを、私なりに整理すると次の2点になります。

  • 過去記事から自動的に発生している収益:認定期間中に労働をしていないため、「不労所得」と整理されやすい
  • 受給中に記事を書く・リライトする:収入の有無と関係なく、「働いた日」そのものが申告対象

この切り分けで見ると、実例と一般解説はそれほど矛盾していません。ただしこれは筆者の解釈であり、公式の統一見解ではありません。「不労所得と言われたケースがあるから申告不要」と読むのは危険です。


失業保険の受給には月2回以上の求職活動実績も必要

副業の話とセットで押さえたいのが求職活動です。

失業保険は再就職支援のための給付なので、原則として認定期間ごとに2回以上の求職活動実績が必要です。求人への応募、セミナー参加、就職につながる試験の受験などが認められる一方、求人検索だけ・転職サイトへの登録だけでは実績になりません

ブログ作業に没頭して求職活動が疎かになれば、「働く意思がない」とみなされて不認定になるおそれもあります。副業はあくまで「求職活動の傍らで、条件内で行うもの」という位置づけです。


考察:制度の「グレーさ」とどう付き合うか(私見)

ここからは、調べてみての率直な所感です。

まず、この制度は「白か黒か」ではなく、窓口確認込みで運用されているグレーな部分があるということ。4時間・20時間という数字はあるものの、収入の計上時期やアフィリエイトを労働と見るかは窓口ごとに差がある。不安要素ではありますが、逆に言えば「先に相談した人が損をしにくい」設計とも読めます。

次に、時代とのズレです。失業保険は雇われて働くことを前提に設計されていますが、今はブログ、動画、フリマ販売と収入の形が多様化しました。「作業した日」と「収入が発生した日」がずれるアフィリエイト型の収入は制度の想定の外側にあり、だからこそ判断が窓口任せになっているのだと考えられます。

そして、雇用保険は今まさに動いている制度です。2024年の法改正で給付制限が2ヶ月から1ヶ月へ短縮されたのは、「離職から再スタートまでの空白を短くする」方向への転換と読めます。個人的には、副業・複業が当たり前になる流れの中で、アフィリエイト型収入の申告基準も、いずれ明文化が進むのではないかと見ています。それまでは「窓口確認が前提の制度」と割り切るのが現実的です。

最後に、物販リサーチをしている立場からの実感です。仕入れる前に相場を調べるのと同じで、受給する前に窓口で聞く。事前確認のひと手間は、副業全般に共通する最強のリスク管理です。うまく立ち回る裏ワザを探すより、正面から確認するほうが結局いちばん早い。私はそう考えています。


まとめ

失業保険の受給中でも、副業アフィリエイトは条件を守れば可能です。ポイントは、待期期間7日間は作業をしないこと、1日4時間未満・週20時間未満の内職の範囲に収めること、収入ゼロでも作業日を失業認定申告書で正直に申告することでした。

控除額(執筆時点の解説で1,357円)は毎年8月に改定される可能性があり、給付制限も2025年4月から原則1ヶ月に短縮されるなど、制度自体が動いています。アフィリエイト収入の扱いは窓口ごとに判断が分かれる実例もあるため、ネットの情報は準備として使い、最終判断は必ず管轄のハローワークと厚生労働省の最新資料で確認してください。


よくある質問

収入がまったくないブログでも申告は必要ですか?

収益化を目的に執筆やリライトなどの作業をした日は、収入の有無にかかわらず「働いた日」としての申告が必要とされています。過去記事から自動発生する収入を「不労所得」と判断した窓口の体験談もありますが、個別判断なので、自分のケースは管轄のハローワークで確認するのが確実です。

1日4時間ちょうど働いた場合はどうなりますか?

運用上、「4時間ぴったり」は4時間以上(就労)扱いとされるのが一般的です。内職扱いにしたいなら4時間未満に収める必要がありますが、就労扱いでもその日の手当は繰り越されるだけで消えるわけではありません(受給期間内・原則1年に限ります)。

申告せずにアフィリエイト収入を得ていたらどうなりますか?

不正受給とみなされた場合、支給停止に加え、不正受給額の全額返還と、その2倍以下の納付命令が科される可能性があります(雇用保険法第10条の4)。合計で最大3倍の支払いになりかねないため、入金時期をずらす調整に頼らず、必ず正しく申告してください。

タイトルとURLをコピーしました